スパロボBASARA 1−4
2006-07-08
四
基地の中は、ついさっきまでの平穏は掻き消え、混乱する職員の悲鳴や必死に応戦する兵士達の叫び声がこだましていた。この襲撃がよほど予想外だったのか、迎撃に回るはずだったPTも、謎の機体に起動前に破壊されていた。
正装から制服に着替え、ユキトは混乱の中を自分の駆る蒼雷皇のドッグへ向かいながらカツミ博士の状況を知る為に通信機で連絡を取る。
「博士、ユキトですが・・・・・・」
「少尉か。君は無事か?」
「はい、博士の方は?」
「現在、ドッグから必要資料を持ち出したばかりだ。どうやら敵はコンベンションに出てくる機体を狙ってきているみたいだからな。それで君はどうするつもりだ?」
「今そちらのドッグの方へ向かっています。蒼雷皇は起動できますか?」
「なんだって!?実戦に使うつもりか?」
「はい。防衛用のPTが動けない今、少しでも被害を抑えるにはそれが必要です」
「・・・・・・わかった。起動準備をして置こう」
「お願いします」
そう言って、ユキトは通信を切った。
数分後、ドッグでは蒼雷皇以外の機体も完全に起動準備が済み、パイロットスーツを着込んだユキトが乗り込もうとしていた。
「一応確認しておくが・・・・・・本当にいいのか?」
やはり、心配なのかカツミ博士が声をかけてくる。ユキトはカツミに対して、真剣な眼で答える。
「もちろんですよ。今、動かなければパイロットをしている意味が無いですから」
「わかった・・・・・・では、科学者としては相応しい言葉では無いが・・・・・・健闘を祈る」
カツミの言葉にうなづき、ユキトは蒼雷皇のコクピットへ向かう。
その時・・・・・・
「ユキトさん!!」
ドッグの中に突然声が響く。ユキトが声のする方を見ると、そこには息を荒げたアラドの姿があった。
「すいません、遅れました!!」
「アラド・・・・・・もしかして君も?」
「はい!俺も緋炎皇で出ます!!」
「確かに君の戦績なら頼りになるが・・・・・・ビルトビルガーと緋炎皇だったら機体性能が違いすぎる。デモンストレーションならいいが、実戦で使うには危険すぎる」
「大丈夫ッス!むしろ俺はこういう重装甲の機体の方が得意ッスから!それにユキト少尉一人だけに任せるわけにはいかないッス!!」
真っ直ぐな視線でユキトを見るアラド。ユキトはその目を見て説得は不可能だという事を理解した。
「わかった・・・・・君を止めるのは無理のようだな」
「はい!ですから――」
「残念だ。君を傷つける気は無かったんだが・・・・・・」
「え?」
ユキトは寂しそうに呟いた後、腰のホルスターから銃を取り出し、アラドに向ける。向けられたアラドはその銃から目が離せないのか、ただ立ち尽くしていた。
その時、大きな破裂音と共にアラドの体が大きく崩れ落ちた。
「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アラドは自分の右足を抑えて叫んだ。アラドの右足の大腿部には弾痕ができ、そこから大量に鮮血が噴き出てきた。そばにいたカツミは、突然の事態に混乱したのか一歩も動けずに立ち尽くすだけだった。
ユキトはそれを一瞥し、振り切るように蒼雷皇のコクピットに向かう。だが・・・・・・
「動かないで!!」
ユキトの背後から聞き覚えのある女性の声が響いた。一度溜息をついて振り返ると、そこには銃を構えてこちらを睨むゼオラと悲しそうな表情をしているミサキだった。
「ゼオラにミサキか・・・・・・」
「ユキト少尉!!これは一体どういうことですか!?なぜ貴方はアラドを・・・・・・」
「悪いが言えない。僕には僕の事情があるからな」
「どんな事情かは知りませんが・・・・・・貴方はアラドへの殺害未遂で軍法会議で裁かれる必要があります。抵抗しないでください。抵抗すれば、いかなる事情があろうとすぐに射殺します!」
「悪いがそれは無理だ。僕は何があろうと、やらなければならない事がある・・・・・・」
ユキトは、何の躊躇も無く銃をゼオラに向ける。互いに銃を向け合ったまま、少しずつ時間が流れていく。だが、その均衡は銃声により破られた。
「グッ!!」
ゼオラは銃を落とし、手を抑えてうずくまる。その手の甲には弾痕から血が流れ出していた。その脇で硝煙が立ち昇る銃を構えたままミサキが立ち尽くしていた。
「何で・・・・・こんな事を・・・・・・」
ゼオラはユキトから視線を外してミサキに向ける。ミサキはゼオラの問いに答える事無くユキトに近づく。
「ユキト少尉・・・・・」
ユキトはミサキの体に触れてみると、その体は今まで一緒にいた仲間を撃った罪悪感からか小刻みに震えていた。
「わかっているよ。辛いだろうが良くやってくれたね・・・・・・・」
ユキトはミサキの震えを止めようと体を抱きしめ、優しい言葉をかける。ミサキは黙ったままだが、少しは落ち着いたのか震えは少しだけおさまった。落ち着いたのを確認すると、ミサキに静かに語りかける。
「よし、行こう。ミサキは今までと同じように黒嵐姫に乗ってくれ。僕は蒼雷皇に乗る」
「はい・・・・・」
ミサキはうなづき、すぐさま黒嵐姫のコクピットに向かった。ユキトも蒼雷皇に向かおうとすると、背後からカツミの叫びがこだました。
「ユキト少尉!!君は一体何をするつもりなんだ!!」
ようやく声を出せるようになったカツミがユキトに向かって叫ぶ。だがユキトは言葉を返さず、ただ一度、謝罪するように頭を下げた。
そしてユキトは踵を返し、迷う事無くコクピットに乗り込んだ。コクピットの中は今までと同じにも関わらず、今日のモニタリングまでとは全く異質な感じを受けた。
ユキトは一度大きく深呼吸をしたのち、レバーを握り蒼雷皇を起動させた。既に黒嵐姫は格納庫を出て『合流地点』に向かっている。自分も急いで向かうべく、格納庫から出る。
その時、偶然視線を移したサイドモニターに人影が映った。自分の部下だったタカヤ・キゴロとレナ・ウラキの姿が・・・・・・。
基地の中は、ついさっきまでの平穏は掻き消え、混乱する職員の悲鳴や必死に応戦する兵士達の叫び声がこだましていた。この襲撃がよほど予想外だったのか、迎撃に回るはずだったPTも、謎の機体に起動前に破壊されていた。
正装から制服に着替え、ユキトは混乱の中を自分の駆る蒼雷皇のドッグへ向かいながらカツミ博士の状況を知る為に通信機で連絡を取る。
「博士、ユキトですが・・・・・・」
「少尉か。君は無事か?」
「はい、博士の方は?」
「現在、ドッグから必要資料を持ち出したばかりだ。どうやら敵はコンベンションに出てくる機体を狙ってきているみたいだからな。それで君はどうするつもりだ?」
「今そちらのドッグの方へ向かっています。蒼雷皇は起動できますか?」
「なんだって!?実戦に使うつもりか?」
「はい。防衛用のPTが動けない今、少しでも被害を抑えるにはそれが必要です」
「・・・・・・わかった。起動準備をして置こう」
「お願いします」
そう言って、ユキトは通信を切った。
数分後、ドッグでは蒼雷皇以外の機体も完全に起動準備が済み、パイロットスーツを着込んだユキトが乗り込もうとしていた。
「一応確認しておくが・・・・・・本当にいいのか?」
やはり、心配なのかカツミ博士が声をかけてくる。ユキトはカツミに対して、真剣な眼で答える。
「もちろんですよ。今、動かなければパイロットをしている意味が無いですから」
「わかった・・・・・・では、科学者としては相応しい言葉では無いが・・・・・・健闘を祈る」
カツミの言葉にうなづき、ユキトは蒼雷皇のコクピットへ向かう。
その時・・・・・・
「ユキトさん!!」
ドッグの中に突然声が響く。ユキトが声のする方を見ると、そこには息を荒げたアラドの姿があった。
「すいません、遅れました!!」
「アラド・・・・・・もしかして君も?」
「はい!俺も緋炎皇で出ます!!」
「確かに君の戦績なら頼りになるが・・・・・・ビルトビルガーと緋炎皇だったら機体性能が違いすぎる。デモンストレーションならいいが、実戦で使うには危険すぎる」
「大丈夫ッス!むしろ俺はこういう重装甲の機体の方が得意ッスから!それにユキト少尉一人だけに任せるわけにはいかないッス!!」
真っ直ぐな視線でユキトを見るアラド。ユキトはその目を見て説得は不可能だという事を理解した。
「わかった・・・・・君を止めるのは無理のようだな」
「はい!ですから――」
「残念だ。君を傷つける気は無かったんだが・・・・・・」
「え?」
ユキトは寂しそうに呟いた後、腰のホルスターから銃を取り出し、アラドに向ける。向けられたアラドはその銃から目が離せないのか、ただ立ち尽くしていた。
その時、大きな破裂音と共にアラドの体が大きく崩れ落ちた。
「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アラドは自分の右足を抑えて叫んだ。アラドの右足の大腿部には弾痕ができ、そこから大量に鮮血が噴き出てきた。そばにいたカツミは、突然の事態に混乱したのか一歩も動けずに立ち尽くすだけだった。
ユキトはそれを一瞥し、振り切るように蒼雷皇のコクピットに向かう。だが・・・・・・
「動かないで!!」
ユキトの背後から聞き覚えのある女性の声が響いた。一度溜息をついて振り返ると、そこには銃を構えてこちらを睨むゼオラと悲しそうな表情をしているミサキだった。
「ゼオラにミサキか・・・・・・」
「ユキト少尉!!これは一体どういうことですか!?なぜ貴方はアラドを・・・・・・」
「悪いが言えない。僕には僕の事情があるからな」
「どんな事情かは知りませんが・・・・・・貴方はアラドへの殺害未遂で軍法会議で裁かれる必要があります。抵抗しないでください。抵抗すれば、いかなる事情があろうとすぐに射殺します!」
「悪いがそれは無理だ。僕は何があろうと、やらなければならない事がある・・・・・・」
ユキトは、何の躊躇も無く銃をゼオラに向ける。互いに銃を向け合ったまま、少しずつ時間が流れていく。だが、その均衡は銃声により破られた。
「グッ!!」
ゼオラは銃を落とし、手を抑えてうずくまる。その手の甲には弾痕から血が流れ出していた。その脇で硝煙が立ち昇る銃を構えたままミサキが立ち尽くしていた。
「何で・・・・・こんな事を・・・・・・」
ゼオラはユキトから視線を外してミサキに向ける。ミサキはゼオラの問いに答える事無くユキトに近づく。
「ユキト少尉・・・・・」
ユキトはミサキの体に触れてみると、その体は今まで一緒にいた仲間を撃った罪悪感からか小刻みに震えていた。
「わかっているよ。辛いだろうが良くやってくれたね・・・・・・・」
ユキトはミサキの震えを止めようと体を抱きしめ、優しい言葉をかける。ミサキは黙ったままだが、少しは落ち着いたのか震えは少しだけおさまった。落ち着いたのを確認すると、ミサキに静かに語りかける。
「よし、行こう。ミサキは今までと同じように黒嵐姫に乗ってくれ。僕は蒼雷皇に乗る」
「はい・・・・・」
ミサキはうなづき、すぐさま黒嵐姫のコクピットに向かった。ユキトも蒼雷皇に向かおうとすると、背後からカツミの叫びがこだました。
「ユキト少尉!!君は一体何をするつもりなんだ!!」
ようやく声を出せるようになったカツミがユキトに向かって叫ぶ。だがユキトは言葉を返さず、ただ一度、謝罪するように頭を下げた。
そしてユキトは踵を返し、迷う事無くコクピットに乗り込んだ。コクピットの中は今までと同じにも関わらず、今日のモニタリングまでとは全く異質な感じを受けた。
ユキトは一度大きく深呼吸をしたのち、レバーを握り蒼雷皇を起動させた。既に黒嵐姫は格納庫を出て『合流地点』に向かっている。自分も急いで向かうべく、格納庫から出る。
その時、偶然視線を移したサイドモニターに人影が映った。自分の部下だったタカヤ・キゴロとレナ・ウラキの姿が・・・・・・。
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