6th BREAK 『大 敵−アーク・エネミー−』 第12章
2008-06-08
ようやく更新となりました。
色々私事であった為、執筆が大幅に遅れたのですがそれはいい訳にはなりませんね。
それでは、よかったら楽しんでください
一応言い訳するとしたら、今回は一度完成した物を消して書き直しました。
最初に書いたのは、あまりにキョウシロウの説明台詞が多いし異様に長くなった(40*40で6P)ので、多分大方の人が楽しめないと思いまして勝手にリテイクしていたらこんなに時間がかかりました。
まだまだ構成をしっかり出来ていない証拠ですね・・・・
12
「戦災孤児なんだよ、あいつらは。L5戦役のな」
通路をゆっくりと歩きながら、不気味なほど穏やかにキョウシロウは語る。
「世間では、あの戦争は一種の聖戦として取り上げられていて生き残った連邦の兵士の一部などは英雄として称されてすらいる。
だが、その裏では史上最悪の数の戦災孤児が生まれていた。地球人と異星人の両方に全て奪われた子供達がだ。連邦政府のプロパガンダの為に明らかにされてはいないがな。俺はそんな悲惨な境遇の子供達を見てみぬふりができなかったんだよ。
だから、俺は子供達をできうる限り引取り、できる限り最高の環境で彼らを育てている。あいつらが失った平和をあいつらが自分自身の力で手に入れられるようにな」
それは微塵も想像をしていなかった答えだった。ジョウスケに至っては言葉のまま信じ込みそうな顔をしている。だが、ジンにはキョウシロウの言葉を信じきることは出来ない、信じる事など出来るはずが無い・・・・・・。
「そんな事よく言えたものね」
カズエの静かだが明確に怒りのこもった声が聞こえる。やはり、彼女は怒りをこらえ切れなかったようだ。
「アナタは平和とか言っているけど、私は貴方達のせいでどれだけの命が失われたか知っているわ。何が平和よ!! アナタも結局は奪う側の人間でしかないじゃない!!」
カズエが感情的になるのは仕方なかった。キョウシロウはカズエの最愛の男であるナオトを殺しているのだ。その怒りは未だに収まるはずが無い。
だが・・・・・・
「もちろん奪う側だ。当然の事だろう? DCも『地球人類の為』と抜かして、非戦闘員を巻き込んだ事実がある。そのツケがDCに返ってきただけだ」
「ツケですって?」
「それ以外にどう言えばいい? まさか『自分達は地球圏の平和の為に戦ったから罪は無い』とでも言うつもりか? お前達DCがどれほど正義感に燃えようが、お前達が壊した物は返ってこないんだよ。
もっともそれは連邦も同じだ。力を持つ者の意味も理解しない奴らばかりだ。だから、いずれ連邦にもDCのようにツケを払ってもらわないとな」
「ツケだとか払ってもらうとか、ずいぶんもったいぶった言い方だな。一体どういうつもりだ?」
「これ以上は言う気も無いし、時間も無い。ここで俺の仕事も終わりだからな」
キョウシロウがシャッターを操作すると、それまでの通路とは光景が一変した。
開けた空間に、大量のAMと巨大な特機が数機。そして、その奥にはヴァルゼリオンとヴァルレオンとヴァルリーブが格納されていた。
「もう、充分だな。ここからはお前がこれを持っていけ」
「え? うわっと!!」
キョウシロウはまるで物でも投げるかのように未だに体が動かないジンをジョウスケに放り渡す。
「起動準備は博士が終えているそうだ。後はさっさと乗ってどこへだりと行けばいい。そして、今度顔合わせた時がお前達が死ぬ時だ」
「そうだな・・・・・・だから礼は言わないでおく」
「それでいい」
ジンはジョウスケに肩を担がれてヴァルゼリオンへと向かう。アヤネも、カズエに車椅子ごとてわたされていた。これでようやくイスルギから脱出できる・・・・・・。もちろん逃げた所で問題は山積みだ。アヤネの事、キョウシロウの事、なによりもレンジが計画している地球圏に対する反逆を防ぐ事。既にDCが崩壊しイスルギに対する戦力がほぼ喪失している中、今の自分達に課せられた物はあまりにも大きい。それを知ってかしらずか、カズエ達の表情も重苦しかった。
それでも、今の自分達には前に進むしか道はない。大きな決意と少しばかりの自棄を胸に今は脱出する事に専念しようとジンは思い直す。
しかし・・・・・・
「動くな!!」
後方から突然かけられた声に、ジン達は反応し振り返る。すると、そこには武装した兵士数十人が自分達に銃口を向けて立っていた。
やはり、キョウシロウの罠だった。頭に浮かんだその言葉はすぐに否定される。ジン達の目の前でキョウシロウとランファが自分達と同じように銃口を突きつけられている。
だが、キョウシロウはこの状況にもうろたえず、不敵に笑っている。
「なんの罪も無い俺に対して銃を向けるなんてな・・・・・・恐ろしい奴らだな」
「貴様がそれを言う資格は無い」
一人の男が声を出す。
「いかなる理由があろうとも、ジン・イスルギの逃亡を見逃すわけにはいかない。イスルギ重工の未来の為にな」
鍛え上げた軍人の中でも頭一つ分高いその男はゆっくりと前に出て、キョウシロウの前に対峙した。それを見て、ジョウスケは何かに気づく
「あれ? シンイチさんかよ。こんな時に・・・・・・」
「知っているのか?」
「ああ、ヴァルレオンのパイロット争ってな・・・・・・。頭固い上にしつこいんだよ」
ジョウスケが珍しく顔に辟易とした表情を出している。確かに面構えからして半世紀前の軍人のように厳しい。
そんなこちらの声など届いていないシンイチは笑みを浮かべたままのキョウシロウに詰め寄った。
「貴様が何を考えているか知らないが、彼らは返してもらう。イスルギの為に」
「お前にそんな権限があるのか? 俺はデバステイターの貴重なパイロットとして会長とクロウド博士以外の命令を無視できる権限が与えられている。それに、この区画は俺たちパイロットのように許可されている人間以外には面倒な許可とってからじゃないと入る事は禁じられているんだが・・・・・・お前らにそんな事をしている時間があったのか?」
キョウシロウのからかうような言葉にシンイチは押し黙る。どうやら、この行為はこの男の独断のようだ。
「図星みたいだな。功でも焦ったか? だったら、お前の言う事にかまってやる必要は無い。この事は会長達には不問にしてやるからさっさと消えろ」
「・・・・・・これを見ても、そう言えるのか?」
シンイチは怒りを必死に噛み殺した表情をしながら腰のポーチから取り出したデジタルカメラのディスプレイをつきつけた。その途端、それまでのキョウシロウの表情が一変した。
「ハハ・・・ハハハ・・・・・・ああ、そういうことか・・・・・・」
キョウシロウは笑う・・・・・・いや、怒っている。無理も無い、あの映像を見せられたら怒らざるをえないだろう。そして、シンイチ自身も怒りと笑みが複雑に混じった表情を浮かべている。
「さあ、早くジン・イスルギをこちらへ寄越せ。お前の子供達を無事に帰して欲しければな」
色々私事であった為、執筆が大幅に遅れたのですがそれはいい訳にはなりませんね。
それでは、よかったら楽しんでください
一応言い訳するとしたら、今回は一度完成した物を消して書き直しました。
最初に書いたのは、あまりにキョウシロウの説明台詞が多いし異様に長くなった(40*40で6P)ので、多分大方の人が楽しめないと思いまして勝手にリテイクしていたらこんなに時間がかかりました。
まだまだ構成をしっかり出来ていない証拠ですね・・・・
12
「戦災孤児なんだよ、あいつらは。L5戦役のな」
通路をゆっくりと歩きながら、不気味なほど穏やかにキョウシロウは語る。
「世間では、あの戦争は一種の聖戦として取り上げられていて生き残った連邦の兵士の一部などは英雄として称されてすらいる。
だが、その裏では史上最悪の数の戦災孤児が生まれていた。地球人と異星人の両方に全て奪われた子供達がだ。連邦政府のプロパガンダの為に明らかにされてはいないがな。俺はそんな悲惨な境遇の子供達を見てみぬふりができなかったんだよ。
だから、俺は子供達をできうる限り引取り、できる限り最高の環境で彼らを育てている。あいつらが失った平和をあいつらが自分自身の力で手に入れられるようにな」
それは微塵も想像をしていなかった答えだった。ジョウスケに至っては言葉のまま信じ込みそうな顔をしている。だが、ジンにはキョウシロウの言葉を信じきることは出来ない、信じる事など出来るはずが無い・・・・・・。
「そんな事よく言えたものね」
カズエの静かだが明確に怒りのこもった声が聞こえる。やはり、彼女は怒りをこらえ切れなかったようだ。
「アナタは平和とか言っているけど、私は貴方達のせいでどれだけの命が失われたか知っているわ。何が平和よ!! アナタも結局は奪う側の人間でしかないじゃない!!」
カズエが感情的になるのは仕方なかった。キョウシロウはカズエの最愛の男であるナオトを殺しているのだ。その怒りは未だに収まるはずが無い。
だが・・・・・・
「もちろん奪う側だ。当然の事だろう? DCも『地球人類の為』と抜かして、非戦闘員を巻き込んだ事実がある。そのツケがDCに返ってきただけだ」
「ツケですって?」
「それ以外にどう言えばいい? まさか『自分達は地球圏の平和の為に戦ったから罪は無い』とでも言うつもりか? お前達DCがどれほど正義感に燃えようが、お前達が壊した物は返ってこないんだよ。
もっともそれは連邦も同じだ。力を持つ者の意味も理解しない奴らばかりだ。だから、いずれ連邦にもDCのようにツケを払ってもらわないとな」
「ツケだとか払ってもらうとか、ずいぶんもったいぶった言い方だな。一体どういうつもりだ?」
「これ以上は言う気も無いし、時間も無い。ここで俺の仕事も終わりだからな」
キョウシロウがシャッターを操作すると、それまでの通路とは光景が一変した。
開けた空間に、大量のAMと巨大な特機が数機。そして、その奥にはヴァルゼリオンとヴァルレオンとヴァルリーブが格納されていた。
「もう、充分だな。ここからはお前がこれを持っていけ」
「え? うわっと!!」
キョウシロウはまるで物でも投げるかのように未だに体が動かないジンをジョウスケに放り渡す。
「起動準備は博士が終えているそうだ。後はさっさと乗ってどこへだりと行けばいい。そして、今度顔合わせた時がお前達が死ぬ時だ」
「そうだな・・・・・・だから礼は言わないでおく」
「それでいい」
ジンはジョウスケに肩を担がれてヴァルゼリオンへと向かう。アヤネも、カズエに車椅子ごとてわたされていた。これでようやくイスルギから脱出できる・・・・・・。もちろん逃げた所で問題は山積みだ。アヤネの事、キョウシロウの事、なによりもレンジが計画している地球圏に対する反逆を防ぐ事。既にDCが崩壊しイスルギに対する戦力がほぼ喪失している中、今の自分達に課せられた物はあまりにも大きい。それを知ってかしらずか、カズエ達の表情も重苦しかった。
それでも、今の自分達には前に進むしか道はない。大きな決意と少しばかりの自棄を胸に今は脱出する事に専念しようとジンは思い直す。
しかし・・・・・・
「動くな!!」
後方から突然かけられた声に、ジン達は反応し振り返る。すると、そこには武装した兵士数十人が自分達に銃口を向けて立っていた。
やはり、キョウシロウの罠だった。頭に浮かんだその言葉はすぐに否定される。ジン達の目の前でキョウシロウとランファが自分達と同じように銃口を突きつけられている。
だが、キョウシロウはこの状況にもうろたえず、不敵に笑っている。
「なんの罪も無い俺に対して銃を向けるなんてな・・・・・・恐ろしい奴らだな」
「貴様がそれを言う資格は無い」
一人の男が声を出す。
「いかなる理由があろうとも、ジン・イスルギの逃亡を見逃すわけにはいかない。イスルギ重工の未来の為にな」
鍛え上げた軍人の中でも頭一つ分高いその男はゆっくりと前に出て、キョウシロウの前に対峙した。それを見て、ジョウスケは何かに気づく
「あれ? シンイチさんかよ。こんな時に・・・・・・」
「知っているのか?」
「ああ、ヴァルレオンのパイロット争ってな・・・・・・。頭固い上にしつこいんだよ」
ジョウスケが珍しく顔に辟易とした表情を出している。確かに面構えからして半世紀前の軍人のように厳しい。
そんなこちらの声など届いていないシンイチは笑みを浮かべたままのキョウシロウに詰め寄った。
「貴様が何を考えているか知らないが、彼らは返してもらう。イスルギの為に」
「お前にそんな権限があるのか? 俺はデバステイターの貴重なパイロットとして会長とクロウド博士以外の命令を無視できる権限が与えられている。それに、この区画は俺たちパイロットのように許可されている人間以外には面倒な許可とってからじゃないと入る事は禁じられているんだが・・・・・・お前らにそんな事をしている時間があったのか?」
キョウシロウのからかうような言葉にシンイチは押し黙る。どうやら、この行為はこの男の独断のようだ。
「図星みたいだな。功でも焦ったか? だったら、お前の言う事にかまってやる必要は無い。この事は会長達には不問にしてやるからさっさと消えろ」
「・・・・・・これを見ても、そう言えるのか?」
シンイチは怒りを必死に噛み殺した表情をしながら腰のポーチから取り出したデジタルカメラのディスプレイをつきつけた。その途端、それまでのキョウシロウの表情が一変した。
「ハハ・・・ハハハ・・・・・・ああ、そういうことか・・・・・・」
キョウシロウは笑う・・・・・・いや、怒っている。無理も無い、あの映像を見せられたら怒らざるをえないだろう。そして、シンイチ自身も怒りと笑みが複雑に混じった表情を浮かべている。
「さあ、早くジン・イスルギをこちらへ寄越せ。お前の子供達を無事に帰して欲しければな」
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