6th BREAK 『大 敵−アーク・エネミー−』 第10章
2008-03-09
お待たせしてすいません。
アウトブレイブようやく更新です。
感想や絵師はまだまだお待ちしていますので、よろしかったらお願いします。 10
キョウシロウの顔が目に入る共に体中を憎悪が巡り、血液が沸き立つかのようにジンの体が熱くなる。なぜ、キョウシロウがここにいるのか? 結局アレは罠だったのか? そんな思考は既に消え去りキョウシロウに対する殺意のみが脳裏へと焦げ付く。
だが、先走る感情にジンの肉体がついていく事は不可能だった。アヤネの念動による攻撃のダメージは大きく、戦う事はできそうにない。
それはキョウシロウも既に察しているようで、笑みを浮かべながらゆっくりとジンの元へ歩み寄ってきた。
「ジン!!」
ジョウスケは即座に銃口をキョウシロウへ向けるが、すぐさまキョウシロウについている女二人が間へ入る。
「ランファにレイファ、そいつが俺に攻撃できないように防げ。発砲してきたら女どもから殺してしまえ」
「了解しました」
女二人は小さく頷くような仕草を取って、その身をジョウスケの前に晒している。ジョウスケの性格上、カズエとマユを犠牲にするような行動をとろうとはしないだろうし、なによりあいつには女を殺す覚悟は無い。
「万事休す・・・・・・って、こういう事を言うんだろうな、会長の息子」
言い切る前にジンの顎部に硬質の物が叩きつけられる。覚悟はしていた物の、一撃に脳を揺さぶられてジンは地面に倒れ、アヤネの体を投げ出してしまう。見上げた視線の先にはキョウシロウの左手があり、ハンドガンが握られている。銃低で殴ったのか。顎が痛みできしんでいるようだ。
「どうやら、本当に戦えそうにないみたいだな。この程度の不意討ちをまともに食らうほどだからな。しかし念動力ってのは初めて見たが、本当に面白い。こんな女がお前のような殺人兵器相手にできるのは感動したよ」
意識の無いアヤネの頭にキョウシロウが足を乗せる。ジンは怒りに身を震わせるが、今の一撃で立ち上がる事も困難なうえ、既に体力はほとんど無く抵抗する事などできそうに無かった。
「悲しいなあ、会長の息子。今のお前じゃ、この女を救う事は出来ないって事だ。まあ、自分から殴りつけるような真似したら「救う」なんて恥ずかしくて言えるわけ無いよな?」
「五月蝿い!! 調子に乗っていると・・・・・」
「『殺す』とでも言うつもりか? やれるのならやってみろ。どうせ今のお前は口だけが精一杯だ。言うだけ自分が惨めになるだけだ。
だから・・・・・・もっと惨めさを味あわせてやるよ」
顔を微笑みで歪ませながら、キョウシロウはジンの首根っこを掴み、無造作に持ち上げる。
「離せ!!」
「そうはいかないんだよ、こっちにも事情があるからな」
キョウシロウは懐から注射機を取り出し、ジンの首筋に突き刺した。それと共にジンの体は数秒も経たぬ間に四肢を強烈な麻痺が襲う。意識は鮮明に残っており、声を出す事は出来るのに自分の意思では指先を動かす事すら出来なくなる。
キョウシロウの事だ、動けなくなった自分を徹底的に嬲り殺しにする事はジンには容易に想像できた。いつもなら、自分が誰に殺されてもそれを許容して死ぬ事ができた。
だが、今は違う。今の自分は死ぬわけにはいかない。アヤネもカズエもマユも守り、父親であるレンジの野望を止めなければならないのだから。
それなのに、今の自分は抵抗する事すら出来ないのだ。あまりの不甲斐無さと悔しさから痛めつけられても流れなかった涙が頬を伝っていった。
「泣いてるのか? まあ、悔しいだろうな。今のお前は何も出来ない弱者そのものだ。まあ、弱者は弱者らしく扱ってやるさ」
殺られる・・・・・・ジンは目の前に迫るキョウシロウの手を凝視しながら絶望を噛み締める。
だが・・・・・・・
「よっと、流石に全身脱力しているだけあって重いな」
「な・・・・・?」
「お前に打ち込んだのはイスルギ製の治療用ナノマシンだ。人間の体に打ち込めば数時間で完治できると言う代物だとさ。ただ、完治するまでは運動能力が無くなる副作用がある。
その間は俺がお前を助けてやるから安心しろ。女にも打ち込んでおいたからそっちの方も心配するな」
「俺達を助ける・・・のか?」
キョウシロウが取った行動はジンの想像とはあまりにもかけ離れていた。キョウシロウは倒れているジンの体を持ち上げ、互いに肩を組み合うような体勢で動けなくなっているジンの体を支えている。そのキョウシロウの行動をジンは理解できずにただ困惑する。キョウシロウと言う男の考えている事が全く理解できず、恐れのような感情が自分の中に湧き上がってくるのをジンは感じていた。
「お前もそうだが、他の奴も理解できないって顔をしているな。そりゃあ、そうだろう。だが、俺はお前を助ける。こっちの都合だがな」
「殺す気は無いのか?」
「あるさ、できるなら今すぐにでもお前を殺したい。この手でな。だが、今ここでは都合が悪い。だから、お前達を一度逃がしてやるのさ」
微笑みながら語るキョウシロウを見てジンの背筋に寒いものが走るが、キョウシロウはその事など気にも止めようとしない。
「まあ、お前らもこっちの事情なんかに興味は無いだろうしな。だから、勝手に助けるだけだ。反論も文句も聞く気は無い。ランファ、レイファ、その女はお前たちに任せる。そこの3人は俺が道案内してやるから、その後をついて来い」
そう言いながらも、キョウシロウはジンを抱えたままこの部屋を出て行った。その後をアヤネを抱え上げたランファとレイファと言う女二人、そしてその後を戸惑いながらもついてくるジョウスケ達。
あまりにも理解しがたいこの状況に、ジンはただアヤネ達の無事を祈る事しかできなかった。
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キョウシロウの顔が目に入る共に体中を憎悪が巡り、血液が沸き立つかのようにジンの体が熱くなる。なぜ、キョウシロウがここにいるのか? 結局アレは罠だったのか? そんな思考は既に消え去りキョウシロウに対する殺意のみが脳裏へと焦げ付く。
だが、先走る感情にジンの肉体がついていく事は不可能だった。アヤネの念動による攻撃のダメージは大きく、戦う事はできそうにない。
それはキョウシロウも既に察しているようで、笑みを浮かべながらゆっくりとジンの元へ歩み寄ってきた。
「ジン!!」
ジョウスケは即座に銃口をキョウシロウへ向けるが、すぐさまキョウシロウについている女二人が間へ入る。
「ランファにレイファ、そいつが俺に攻撃できないように防げ。発砲してきたら女どもから殺してしまえ」
「了解しました」
女二人は小さく頷くような仕草を取って、その身をジョウスケの前に晒している。ジョウスケの性格上、カズエとマユを犠牲にするような行動をとろうとはしないだろうし、なによりあいつには女を殺す覚悟は無い。
「万事休す・・・・・・って、こういう事を言うんだろうな、会長の息子」
言い切る前にジンの顎部に硬質の物が叩きつけられる。覚悟はしていた物の、一撃に脳を揺さぶられてジンは地面に倒れ、アヤネの体を投げ出してしまう。見上げた視線の先にはキョウシロウの左手があり、ハンドガンが握られている。銃低で殴ったのか。顎が痛みできしんでいるようだ。
「どうやら、本当に戦えそうにないみたいだな。この程度の不意討ちをまともに食らうほどだからな。しかし念動力ってのは初めて見たが、本当に面白い。こんな女がお前のような殺人兵器相手にできるのは感動したよ」
意識の無いアヤネの頭にキョウシロウが足を乗せる。ジンは怒りに身を震わせるが、今の一撃で立ち上がる事も困難なうえ、既に体力はほとんど無く抵抗する事などできそうに無かった。
「悲しいなあ、会長の息子。今のお前じゃ、この女を救う事は出来ないって事だ。まあ、自分から殴りつけるような真似したら「救う」なんて恥ずかしくて言えるわけ無いよな?」
「五月蝿い!! 調子に乗っていると・・・・・」
「『殺す』とでも言うつもりか? やれるのならやってみろ。どうせ今のお前は口だけが精一杯だ。言うだけ自分が惨めになるだけだ。
だから・・・・・・もっと惨めさを味あわせてやるよ」
顔を微笑みで歪ませながら、キョウシロウはジンの首根っこを掴み、無造作に持ち上げる。
「離せ!!」
「そうはいかないんだよ、こっちにも事情があるからな」
キョウシロウは懐から注射機を取り出し、ジンの首筋に突き刺した。それと共にジンの体は数秒も経たぬ間に四肢を強烈な麻痺が襲う。意識は鮮明に残っており、声を出す事は出来るのに自分の意思では指先を動かす事すら出来なくなる。
キョウシロウの事だ、動けなくなった自分を徹底的に嬲り殺しにする事はジンには容易に想像できた。いつもなら、自分が誰に殺されてもそれを許容して死ぬ事ができた。
だが、今は違う。今の自分は死ぬわけにはいかない。アヤネもカズエもマユも守り、父親であるレンジの野望を止めなければならないのだから。
それなのに、今の自分は抵抗する事すら出来ないのだ。あまりの不甲斐無さと悔しさから痛めつけられても流れなかった涙が頬を伝っていった。
「泣いてるのか? まあ、悔しいだろうな。今のお前は何も出来ない弱者そのものだ。まあ、弱者は弱者らしく扱ってやるさ」
殺られる・・・・・・ジンは目の前に迫るキョウシロウの手を凝視しながら絶望を噛み締める。
だが・・・・・・・
「よっと、流石に全身脱力しているだけあって重いな」
「な・・・・・?」
「お前に打ち込んだのはイスルギ製の治療用ナノマシンだ。人間の体に打ち込めば数時間で完治できると言う代物だとさ。ただ、完治するまでは運動能力が無くなる副作用がある。
その間は俺がお前を助けてやるから安心しろ。女にも打ち込んでおいたからそっちの方も心配するな」
「俺達を助ける・・・のか?」
キョウシロウが取った行動はジンの想像とはあまりにもかけ離れていた。キョウシロウは倒れているジンの体を持ち上げ、互いに肩を組み合うような体勢で動けなくなっているジンの体を支えている。そのキョウシロウの行動をジンは理解できずにただ困惑する。キョウシロウと言う男の考えている事が全く理解できず、恐れのような感情が自分の中に湧き上がってくるのをジンは感じていた。
「お前もそうだが、他の奴も理解できないって顔をしているな。そりゃあ、そうだろう。だが、俺はお前を助ける。こっちの都合だがな」
「殺す気は無いのか?」
「あるさ、できるなら今すぐにでもお前を殺したい。この手でな。だが、今ここでは都合が悪い。だから、お前達を一度逃がしてやるのさ」
微笑みながら語るキョウシロウを見てジンの背筋に寒いものが走るが、キョウシロウはその事など気にも止めようとしない。
「まあ、お前らもこっちの事情なんかに興味は無いだろうしな。だから、勝手に助けるだけだ。反論も文句も聞く気は無い。ランファ、レイファ、その女はお前たちに任せる。そこの3人は俺が道案内してやるから、その後をついて来い」
そう言いながらも、キョウシロウはジンを抱えたままこの部屋を出て行った。その後をアヤネを抱え上げたランファとレイファと言う女二人、そしてその後を戸惑いながらもついてくるジョウスケ達。
あまりにも理解しがたいこの状況に、ジンはただアヤネ達の無事を祈る事しかできなかった。
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