BASARA更新
2007-12-05
しばらくぶりのBASARA更新です。
今回、行を空けて見やすくしたつもりですが、どうでしょうか?
何かあったらコメントでお願いします。
参
『戦鬼の如く』
一
鉄神党のゲーム開始の前日、午後16:00時。
タカヤとレナが初めて立った北京の地の空気は異常なまでに緊迫していた。目に映る人間の殆どが一心不乱に動き回り、一分一秒を惜しむように走り回っている。そんな殺気立つ人の間を潜り抜け、タカヤはレナと共に輸送機からブリーフィングルームへ向かう。
自分の隣で困惑を必死に隠そうとしているレナにはわからないかもしれないが、タカヤはその空気が何を意味するのかを肌で理解していた。まさに自分は本物の戦場に降り立ったのだと。
極道も軍人も結局の所は変わらない。変わる筈が無い・・・・・・無意識のうちにタカヤは自分に言い聞かせる。殺し合いなら何度も経験している自分が、まるで親から離れた幼子のように怯えているのが嫌でもわかる。
結局、ゼットに言われた事の答えは見つからないままだった。ゼットのいつもの発言と態度を思えば答えそのものの無い単なる誹謗と言い切ってもいいのだが、だとするとあの常に真面目なリュウジの取ったゼットを肯定する態度が理解できない。
タカヤが悩み苦しんでも答えは一向に出ず、時間だけがむなしく過ぎて行き、それが焦りを生んで更に思考を鈍らせる。それはまるで、もがけばもがくほど沈んでいく底無し沼のようなものだった
「タカヤ君、行き過ぎてるよ。」
「え? あ・・・・・・」
レナの声に気づいたタカヤが振り返ると、目指していたブリーフィングルームは数m.も後にある。
余計な事を考えすぎている・・・・・・タカヤは既に自分を嘲笑する余裕も無くなっていた。こんな状態で戦争など自殺のようなものだ。考えれば考えるだけ重くなる頭を疎ましく思いながらタカヤはブリーフィングルームのノブを手に取った。
カイ少佐から聞いた話では、まったくの素人に近い自分達を助ける為に、前大戦、前々大戦で最前線で戦った『ハガネクルー』のメンバーが全世界に散らばってサポートに加わるらしい。
歴戦の勇士とはどういう人物なのか? 彼らと会う事が疑問を解くヒントにでもなればというかすかな願いを頭の墨に置きつつタカヤはドアを開ける。
「失礼します」
ドアを開けると、そこに彼らはいた。
「北京基地へようこそ。ブルックリン・ラックフィールド少尉です」
「クスハ・ミズハ少尉です。私達は貴方達二人のサポートを任されています」
「・・・・・・あ、タカヤ・キゴロ曹・・・・・じゃなくて少尉です」
「レ、レナ・ウラキ少尉です! 」
狐につままれたと言うのはこういう事だろうか? タカヤもレナも、目の前にいるブルックリンとクスハを見て一時あっけに取られてしまった。
もちろん、ハガネクルーの話を全く知らなかったわけではない。むしろ、カイ少佐もハガネクルーとしてアインストやシャドウミラーと戦っていた事からハガネクルーとして戦った兵士がどういう人物の話をたびたび聞いてはいる。
それでもなお、現実に目の前に現れた彼らは想像とはあまりにも異なっていた。彼ら二人からは軍人独特の雰囲気が伝わらない。それどころか自分よりも争い事が似合いそうもない。そんな自分達とさほど変わらないような人間が既に一流の軍人として活躍している事に微かに劣等感を覚えた。
「今回の作戦に関しては、タカヤさんとレナさん、そして私達に一任されています。早速で悪いのですが、ブリーフィングを始めますね」
「は・・・はい」
クスハの指示に従い、タカヤとレナは用意されていた席に着く。席に用意されたディスプレイには既に大体の事が映し出され。クスハが文章を読み上げはじめる。
「現在、私達には彼ら鉄神党の戦力などの情報はほぼ入っていません。わかっているのは敵が既に設置している『ファットマン』めがけて侵攻して来る事、そして『ボス』とカテゴリーされている機体はタカヤさんとレナさんの機体しか破壊を認められていない事だけです。
その為、私達は鶴翼の陣を取って敵をおびき寄せるという方法が最も有効だと推測しました。その中央部に緋炎王と白嶺姫を配置、その脇を私の搭乗する『グルンガスト弐式』とブルックリン少尉が搭乗する『ヒュッケバインMark2』でカバーします。
ですが、万が一の事態に備える為、私達はタカヤさん達の戦闘に積極的に介入できない事は認識してください」
殆ど予想していたとおりの作戦になった。もっとも、自分とレナがボスとの直接対決をしなければいけない以上、あまり細かい事を決める必要は無い。自分達は雑魚を無視してでもボスを破壊しなければいけないのだから。
しかし、改めて告げられると自分へのプレッシャーがより強くなった事を感じる。それはレナも同じなのか、視線が何度も宙を泳いでいる。
「この作戦に対して、なにか質問はありますか?」
「いや、ありません・・・・・・」
この作戦に対して、自分達のような素人に口を挟む余裕は無い。それよりも・・・・・・
「ブルックリン少尉に、クスハ少尉。申し訳ないですが、明日の作戦に備えてシミュレーションに付き合ってください。作戦に関しては俺達はズブの素人で何も出来ない。だから、1兵士としてできる限りの事をしておきたいんです」
タカヤは頭を下げて、ブルックリンとクスハに懇願した。しかし、自分の脇でレナが血相を変えている。
「ちょっと待って! いくらなんでもこんな時にやったら疲労が取れないんじゃ・・・・・・」
レナの言う事はもっともだ。作戦前にシミュレーションとは言え、疲労しやすいシミュレーションを行うのは非常識なのはタカヤも知っている。それでも今のまま戦場には立てないのは自分自身がわかりきっている。
こうなったら無謀とわかっていても、歴戦の勇士と呼ばれる者と戦って自分の足りない物を肌で知るべきだ。愚者には愚者なりの方法で学ぶしかない。
あとは、彼らが了承してさえくれれば・・・・・・
「わかった。つき合うよ」
ブルックリンは顔に笑みを浮かべ、了承してくれた。
「ただし、1時間だけだ。それ以上は明日に差し支えるだろうし。それでもいいかい?」
「はい、もちろんです。ありがとうございます、ブルックリン少尉」
タカヤは協力してくれるブルックリンに感謝し、再び深く頭を下げる。
後は己次第・・・・・そう考えると同時にタカヤは自分の手が震えだすのを感じていた。
今回、行を空けて見やすくしたつもりですが、どうでしょうか?
何かあったらコメントでお願いします。
参
『戦鬼の如く』
一
鉄神党のゲーム開始の前日、午後16:00時。
タカヤとレナが初めて立った北京の地の空気は異常なまでに緊迫していた。目に映る人間の殆どが一心不乱に動き回り、一分一秒を惜しむように走り回っている。そんな殺気立つ人の間を潜り抜け、タカヤはレナと共に輸送機からブリーフィングルームへ向かう。
自分の隣で困惑を必死に隠そうとしているレナにはわからないかもしれないが、タカヤはその空気が何を意味するのかを肌で理解していた。まさに自分は本物の戦場に降り立ったのだと。
極道も軍人も結局の所は変わらない。変わる筈が無い・・・・・・無意識のうちにタカヤは自分に言い聞かせる。殺し合いなら何度も経験している自分が、まるで親から離れた幼子のように怯えているのが嫌でもわかる。
結局、ゼットに言われた事の答えは見つからないままだった。ゼットのいつもの発言と態度を思えば答えそのものの無い単なる誹謗と言い切ってもいいのだが、だとするとあの常に真面目なリュウジの取ったゼットを肯定する態度が理解できない。
タカヤが悩み苦しんでも答えは一向に出ず、時間だけがむなしく過ぎて行き、それが焦りを生んで更に思考を鈍らせる。それはまるで、もがけばもがくほど沈んでいく底無し沼のようなものだった
「タカヤ君、行き過ぎてるよ。」
「え? あ・・・・・・」
レナの声に気づいたタカヤが振り返ると、目指していたブリーフィングルームは数m.も後にある。
余計な事を考えすぎている・・・・・・タカヤは既に自分を嘲笑する余裕も無くなっていた。こんな状態で戦争など自殺のようなものだ。考えれば考えるだけ重くなる頭を疎ましく思いながらタカヤはブリーフィングルームのノブを手に取った。
カイ少佐から聞いた話では、まったくの素人に近い自分達を助ける為に、前大戦、前々大戦で最前線で戦った『ハガネクルー』のメンバーが全世界に散らばってサポートに加わるらしい。
歴戦の勇士とはどういう人物なのか? 彼らと会う事が疑問を解くヒントにでもなればというかすかな願いを頭の墨に置きつつタカヤはドアを開ける。
「失礼します」
ドアを開けると、そこに彼らはいた。
「北京基地へようこそ。ブルックリン・ラックフィールド少尉です」
「クスハ・ミズハ少尉です。私達は貴方達二人のサポートを任されています」
「・・・・・・あ、タカヤ・キゴロ曹・・・・・じゃなくて少尉です」
「レ、レナ・ウラキ少尉です! 」
狐につままれたと言うのはこういう事だろうか? タカヤもレナも、目の前にいるブルックリンとクスハを見て一時あっけに取られてしまった。
もちろん、ハガネクルーの話を全く知らなかったわけではない。むしろ、カイ少佐もハガネクルーとしてアインストやシャドウミラーと戦っていた事からハガネクルーとして戦った兵士がどういう人物の話をたびたび聞いてはいる。
それでもなお、現実に目の前に現れた彼らは想像とはあまりにも異なっていた。彼ら二人からは軍人独特の雰囲気が伝わらない。それどころか自分よりも争い事が似合いそうもない。そんな自分達とさほど変わらないような人間が既に一流の軍人として活躍している事に微かに劣等感を覚えた。
「今回の作戦に関しては、タカヤさんとレナさん、そして私達に一任されています。早速で悪いのですが、ブリーフィングを始めますね」
「は・・・はい」
クスハの指示に従い、タカヤとレナは用意されていた席に着く。席に用意されたディスプレイには既に大体の事が映し出され。クスハが文章を読み上げはじめる。
「現在、私達には彼ら鉄神党の戦力などの情報はほぼ入っていません。わかっているのは敵が既に設置している『ファットマン』めがけて侵攻して来る事、そして『ボス』とカテゴリーされている機体はタカヤさんとレナさんの機体しか破壊を認められていない事だけです。
その為、私達は鶴翼の陣を取って敵をおびき寄せるという方法が最も有効だと推測しました。その中央部に緋炎王と白嶺姫を配置、その脇を私の搭乗する『グルンガスト弐式』とブルックリン少尉が搭乗する『ヒュッケバインMark2』でカバーします。
ですが、万が一の事態に備える為、私達はタカヤさん達の戦闘に積極的に介入できない事は認識してください」
殆ど予想していたとおりの作戦になった。もっとも、自分とレナがボスとの直接対決をしなければいけない以上、あまり細かい事を決める必要は無い。自分達は雑魚を無視してでもボスを破壊しなければいけないのだから。
しかし、改めて告げられると自分へのプレッシャーがより強くなった事を感じる。それはレナも同じなのか、視線が何度も宙を泳いでいる。
「この作戦に対して、なにか質問はありますか?」
「いや、ありません・・・・・・」
この作戦に対して、自分達のような素人に口を挟む余裕は無い。それよりも・・・・・・
「ブルックリン少尉に、クスハ少尉。申し訳ないですが、明日の作戦に備えてシミュレーションに付き合ってください。作戦に関しては俺達はズブの素人で何も出来ない。だから、1兵士としてできる限りの事をしておきたいんです」
タカヤは頭を下げて、ブルックリンとクスハに懇願した。しかし、自分の脇でレナが血相を変えている。
「ちょっと待って! いくらなんでもこんな時にやったら疲労が取れないんじゃ・・・・・・」
レナの言う事はもっともだ。作戦前にシミュレーションとは言え、疲労しやすいシミュレーションを行うのは非常識なのはタカヤも知っている。それでも今のまま戦場には立てないのは自分自身がわかりきっている。
こうなったら無謀とわかっていても、歴戦の勇士と呼ばれる者と戦って自分の足りない物を肌で知るべきだ。愚者には愚者なりの方法で学ぶしかない。
あとは、彼らが了承してさえくれれば・・・・・・
「わかった。つき合うよ」
ブルックリンは顔に笑みを浮かべ、了承してくれた。
「ただし、1時間だけだ。それ以上は明日に差し支えるだろうし。それでもいいかい?」
「はい、もちろんです。ありがとうございます、ブルックリン少尉」
タカヤは協力してくれるブルックリンに感謝し、再び深く頭を下げる。
後は己次第・・・・・そう考えると同時にタカヤは自分の手が震えだすのを感じていた。
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