6th BREAK 『大 敵−アーク・エネミー−』 第6章
2007-08-13
小説更新しました。
色々と拙い部分はありますが、楽しんでいただけたら幸いです。
ご感想などもお待ちしています。 6
「これで最後だな」
ジンは壁についているハザードシャッターの開閉装置を操作し、完全に閉まったのを見計らって開閉装置をマユが持っていた銃で破壊し、走り出す。シャッターを開けるにしろ、破壊するにしろこれで多少なりとも時間稼ぎができる。
「おーい。こっち、こっち」
声の聞こえてくる角を曲がると既に合流場所であるカズエが軟禁されていた部屋は目視できる距離にあった。そして、その部屋のドアからジョウスケが能天気な声と顔を出して手を振っている。この緊張感も真剣さも感じられない行動を見ると、そこにいるのが正真正銘ジョウスケだという確信がもてた。
「ジョウスケさん」
自分の脇をすり抜け、マユがジョウスケに駆け寄って行く。どうやら、思っていたよりもマユはジョウスケに懐いているようだ。少々複雑な気分になりながらジンはマユのあとを追って部屋に入ると、ジョウスケが肩を叩いてきた。
「大変だったみたいだな、服以外かなりボロボロじゃん」
「まあ、そこそこにな。お前も閉じ込められたら辛さがわかるさ」
「それはマジ勘弁」
ただの冗談なのに、顔色が変わるジョウスケを見てジンは苦笑する。直に会ったのは初めてだが本当に愉快な奴だ。
「ジン!!」
部屋に入ると共にカズエが駆け寄ってきた。彼女はジンの手を取り顔や身体を見回しいてる。
「辛い目に合わせたみたいね」
「そっちほどじゃないさ」
「ジンがされていた事と比べるなんておこがましいほどよ。それよりも、無事でよかったわ」
カズエの浮かべた安堵の表情を見て、ジン自身もようやく心底安心する。
その時、突然ジンの視界が激しく揺れた。激しい圧迫感を伴いながら、目の前の物全てが大きく動き、いつの間にかジンの顔は床のじゅうたんに伏せられていた。
「ジン!」
「兄さん?」
「大丈夫だ、気にするな」
カズエとマユが引き起こそうと近寄ってくるのをジンは振り払うように立ち上がる。どうやらカズエの無事を確認したと共に張っていた気が散ってしまったようだ。
よく考えてみれば、今の自分はリンチを受けて体力を消耗しているうえに、極度の空腹によって体内の複数の栄養素とカロリーが致命的に欠乏している。もし、DCでの訓練が無ければ既に指先一つ動けなくなっていてもおかしくは無いだろう。
だが、今はそんな事を言ってはいられない。アヤネを助け、レンジの目論見を止めなければいけない。それまでは――――――
「うりゃ」
気の抜けるような声が後ろでしたとほぼ同時にジンの身体は再び地面に転がった。こんな事をするのは・・・・・
「予想以上に決まったな・・・・・。俺の人生の中でも最もスマッシュヒットだった」
やっぱりジョウスケか。頭にどんな電波を受信したか知らないが、突然両膝裏を突かれて・・・・・俗に言う膝カックンしておいて、何かをやり遂げた顔をしているのは理解に苦しむ・・・・・というよりも本気で殺意が湧いてくる。
もし体調が万全だったら骨の1,2本では済まさなかったろう。
「ジョウスケさん、なにやってるんですか!?」
やはり、マユもジョウスケの奇行が理解できず声を張り上げている。
「いや、ジョーク。ジョークだよ。場を和ませようと思って・・・・・」
「そういう気遣いはありがたいけど、ちょっとぐらい空気を読んでほしかったわね」
カズエの怒りのこもった視線にジョウスケは萎縮しきっている。明らかにこうなるのは見えていただろうに。
ジョウスケも流石に悪い気がしたのか、倒れているジンに手を差し出す。
「悪い悪い、立てるか?」
「ああ、だけどこういう無駄に疲れるような真似はやめろ」
ジンは溜め息をつきながら手を伸ばす。だが、突然ジョウスケはジンの手を払い、いつの間にか手にしていた拳銃をジンの額に突きつけていた。
場の空気は凍りつき、誰も身動き一つしない・・・いや、できないのだろう。それはジン自身も同じだった。額に押し付けられた銃口とその突如鋭くなった眼光からジョウスケの殺意が伝わってくる。
なぜ、ジョウスケが?という疑問よりも、体が言う事を聞かない状態でどうやって逃げるかと算段を必死に考える。無論、そんな都合の良い方法など存在しない。
死んだ・・・・ここで終わる・・・・・ジンの頭には屈辱的な言葉だけが浮かんでは消えて行った。
「・・・・・やっぱりな。もう駄目か」
ジョウスケは首をかしげながら銃をしまい、倒れているジンを今度こそ引き起こす。回りで見ているカズエもマユもジョウスケの奇行に戸惑い、あっけに取られるばかりだったが、銃を突きつけられたジンは憤りを隠す事ができず、ジョウスケの襟首に掴みかかる。
「何のつもりだ!! いくら冗談でも限度があるだろうが!!」
「そりゃあ、こっちの台詞だ。お前、そんな身体で何するつもりなんだよ。身体は痣だらけ、顔は土気色、頬もこけているし、朝礼で貧血起こした病弱少女みたいに地面に倒れるほど体調は最悪。そんなんで、何したいのか知らんけど脱出もできないぞ」
ジョウスケの言葉にジンは何も反論できなかった。ジョウスケの言う事は正論だ。否定の余地は皆無である。
だが、それを認めたからといって事態は好転しない。ジンがここに来た目的の大半は捕らえられているアヤネを助ける事だ。それはジンのエゴでしかなく、その為にカズエ達を巻き込むわけにはいかない。
何もできず、ただ押し黙る時間が無駄に流れる。ジンはただ何もできずにジョウスケの襟首を力無く掴んだまま立っているだけ、カズエもマユも動揺して二人の間に入れずにいる。ただ一人、ジョウスケだけは涼しい顔をしてジンの泳いでいる目を見据えていた。
「ま・・・・・言いたくないならいいさ」
襟首を掴むジンの手を剥がし、ジョウスケは踵を返して廊下へと出て行く。
「どこへ行くんだよ・・・・・・逃げるのか?」
そう言いながらもジンはどこかジョウスケの行動に納得していた。彼にはここで命を懸ける理由は無い。自分にとって不利だと知ったらこんな行動に出てもおかしくは無いとジンは確信していた。だが・・・・・・
「いや、今突入してくるのを退治してこようと思ってな」
その言葉にジンは耳を疑った。
「嘘をつくならマシな嘘つけよ」
まるでトイレにでも行くような調子でのんきに話すジョウスケに苛立ちをぶつけるジン。だが、ジョウスケはそんな事など気にも留めていないのか、さっきまでと同じように笑顔を浮かべている。
「嘘つくつもりはないさ。ただ、ここでお前と意地張っていても時間の無駄だし、俺らも危険だからな。だから、危なくなる前に対処しようって訳。お前はせいぜい飯でも食ってゆっくりしてなって。じゃ、マユにカズエさん、ジンの事はよろしくな」
「あ・・・うん」
マユもカズエも呆気に取られているうちにジョウスケは走り出して行った。やっぱり、ジンにはジョウスケと言う男の底が理解できない・・・・・。
「どうするのジン?」
さすがのカズエもどうすればいいのかわかっていないようだ。まあ、あの男の意図を理解できるようになったら相当な変人だろう。
「どうするって・・・・・あいつの言う通り、飯でも――――」
会話の途中でマユの携帯が鳴り響く。考えるまでも無くジョウスケだろう。その予想は当たったようで、マユはすぐに電話に出たあとジンに電話を渡してきた。
「なんだよ・・・・・・」
「一言忘れててさ。ジンがあんだけ向きになるってことは女がらみだろ。ちゃんと風呂入って臭い落としとけよ〜」
「うるせえ!!」
ジンは図星を突かれ、反射的に怒鳴り声を上げるが既にジョウスケは通信を切っていた。怒りのやり場の無いジンは疲れ果ててその場に座り込んだ。ある意味、今までのリンチ以上に心身が疲労している・・・・・・
「兄さん、ジョウスケさんは何て?」
ジョウスケとのやり取りを傍から見ていたマユとカズエが心配そうにこちらを見ている。突然怒鳴り声を上げたら何かあったと思うのは当然だろう。
ジンは溜め息をついて、頭を掻く。
「とりあえず・・・・・・シャワー浴びてからなんか食うわ。なんでもいいから食える物用意してくれ」
「え?」
カズエとマユは怪訝な顔をしてジンを見ている。一番そういう顔をしたいのはこっちの方なのだが・・・・・・。
無人の廊下にジョウスケの鼻歌とキャリーバッグを引きずる音が響く。
いい事をした後は気持ちが良いものだ。きっと、ジンもマユもカズエさんも自分に感謝しているだろう。
なにせ、自分の身を挺して追手を迎え撃ちに来ているのだから。まあ、まかり間違っても自分が犠牲になるつもりは無い。しっかり、自分のやれる事をやれば勝つ。その自身がジョウスケにはあった。
開閉装置の破壊されているハザード・シャッターの前に立つと、既に向こう側から物音が聞こえてきている。
「もう来てるのか。やっぱり、この会社はせっかちすぎて俺には合わないな」
ジョウスケはキャリーバッグを足元に置き、服の内ポケットから丸サングラスを取り出してかけ、両手にも銃を装備する。
既にハザード・シャッターは向こう側から特殊カッターで切断が始められていた。まずは先制攻撃だ。相手もまさかシャッターの向こうで待ち伏せしているとは思っていないだろう。切り裂かれたところが開いた瞬間が最初の勝負どころだ。
カッターは火花を出しながらもゆっくりと分厚いハザード・シャッターを切り裂いて行く。その軌跡が半円状に形作られ、地面に接した瞬間シャッターはこちら側に向かって轟音と共に倒れ始める。
「さて・・・・・いきますか!!」
色々と拙い部分はありますが、楽しんでいただけたら幸いです。
ご感想などもお待ちしています。 6
「これで最後だな」
ジンは壁についているハザードシャッターの開閉装置を操作し、完全に閉まったのを見計らって開閉装置をマユが持っていた銃で破壊し、走り出す。シャッターを開けるにしろ、破壊するにしろこれで多少なりとも時間稼ぎができる。
「おーい。こっち、こっち」
声の聞こえてくる角を曲がると既に合流場所であるカズエが軟禁されていた部屋は目視できる距離にあった。そして、その部屋のドアからジョウスケが能天気な声と顔を出して手を振っている。この緊張感も真剣さも感じられない行動を見ると、そこにいるのが正真正銘ジョウスケだという確信がもてた。
「ジョウスケさん」
自分の脇をすり抜け、マユがジョウスケに駆け寄って行く。どうやら、思っていたよりもマユはジョウスケに懐いているようだ。少々複雑な気分になりながらジンはマユのあとを追って部屋に入ると、ジョウスケが肩を叩いてきた。
「大変だったみたいだな、服以外かなりボロボロじゃん」
「まあ、そこそこにな。お前も閉じ込められたら辛さがわかるさ」
「それはマジ勘弁」
ただの冗談なのに、顔色が変わるジョウスケを見てジンは苦笑する。直に会ったのは初めてだが本当に愉快な奴だ。
「ジン!!」
部屋に入ると共にカズエが駆け寄ってきた。彼女はジンの手を取り顔や身体を見回しいてる。
「辛い目に合わせたみたいね」
「そっちほどじゃないさ」
「ジンがされていた事と比べるなんておこがましいほどよ。それよりも、無事でよかったわ」
カズエの浮かべた安堵の表情を見て、ジン自身もようやく心底安心する。
その時、突然ジンの視界が激しく揺れた。激しい圧迫感を伴いながら、目の前の物全てが大きく動き、いつの間にかジンの顔は床のじゅうたんに伏せられていた。
「ジン!」
「兄さん?」
「大丈夫だ、気にするな」
カズエとマユが引き起こそうと近寄ってくるのをジンは振り払うように立ち上がる。どうやらカズエの無事を確認したと共に張っていた気が散ってしまったようだ。
よく考えてみれば、今の自分はリンチを受けて体力を消耗しているうえに、極度の空腹によって体内の複数の栄養素とカロリーが致命的に欠乏している。もし、DCでの訓練が無ければ既に指先一つ動けなくなっていてもおかしくは無いだろう。
だが、今はそんな事を言ってはいられない。アヤネを助け、レンジの目論見を止めなければいけない。それまでは――――――
「うりゃ」
気の抜けるような声が後ろでしたとほぼ同時にジンの身体は再び地面に転がった。こんな事をするのは・・・・・
「予想以上に決まったな・・・・・。俺の人生の中でも最もスマッシュヒットだった」
やっぱりジョウスケか。頭にどんな電波を受信したか知らないが、突然両膝裏を突かれて・・・・・俗に言う膝カックンしておいて、何かをやり遂げた顔をしているのは理解に苦しむ・・・・・というよりも本気で殺意が湧いてくる。
もし体調が万全だったら骨の1,2本では済まさなかったろう。
「ジョウスケさん、なにやってるんですか!?」
やはり、マユもジョウスケの奇行が理解できず声を張り上げている。
「いや、ジョーク。ジョークだよ。場を和ませようと思って・・・・・」
「そういう気遣いはありがたいけど、ちょっとぐらい空気を読んでほしかったわね」
カズエの怒りのこもった視線にジョウスケは萎縮しきっている。明らかにこうなるのは見えていただろうに。
ジョウスケも流石に悪い気がしたのか、倒れているジンに手を差し出す。
「悪い悪い、立てるか?」
「ああ、だけどこういう無駄に疲れるような真似はやめろ」
ジンは溜め息をつきながら手を伸ばす。だが、突然ジョウスケはジンの手を払い、いつの間にか手にしていた拳銃をジンの額に突きつけていた。
場の空気は凍りつき、誰も身動き一つしない・・・いや、できないのだろう。それはジン自身も同じだった。額に押し付けられた銃口とその突如鋭くなった眼光からジョウスケの殺意が伝わってくる。
なぜ、ジョウスケが?という疑問よりも、体が言う事を聞かない状態でどうやって逃げるかと算段を必死に考える。無論、そんな都合の良い方法など存在しない。
死んだ・・・・ここで終わる・・・・・ジンの頭には屈辱的な言葉だけが浮かんでは消えて行った。
「・・・・・やっぱりな。もう駄目か」
ジョウスケは首をかしげながら銃をしまい、倒れているジンを今度こそ引き起こす。回りで見ているカズエもマユもジョウスケの奇行に戸惑い、あっけに取られるばかりだったが、銃を突きつけられたジンは憤りを隠す事ができず、ジョウスケの襟首に掴みかかる。
「何のつもりだ!! いくら冗談でも限度があるだろうが!!」
「そりゃあ、こっちの台詞だ。お前、そんな身体で何するつもりなんだよ。身体は痣だらけ、顔は土気色、頬もこけているし、朝礼で貧血起こした病弱少女みたいに地面に倒れるほど体調は最悪。そんなんで、何したいのか知らんけど脱出もできないぞ」
ジョウスケの言葉にジンは何も反論できなかった。ジョウスケの言う事は正論だ。否定の余地は皆無である。
だが、それを認めたからといって事態は好転しない。ジンがここに来た目的の大半は捕らえられているアヤネを助ける事だ。それはジンのエゴでしかなく、その為にカズエ達を巻き込むわけにはいかない。
何もできず、ただ押し黙る時間が無駄に流れる。ジンはただ何もできずにジョウスケの襟首を力無く掴んだまま立っているだけ、カズエもマユも動揺して二人の間に入れずにいる。ただ一人、ジョウスケだけは涼しい顔をしてジンの泳いでいる目を見据えていた。
「ま・・・・・言いたくないならいいさ」
襟首を掴むジンの手を剥がし、ジョウスケは踵を返して廊下へと出て行く。
「どこへ行くんだよ・・・・・・逃げるのか?」
そう言いながらもジンはどこかジョウスケの行動に納得していた。彼にはここで命を懸ける理由は無い。自分にとって不利だと知ったらこんな行動に出てもおかしくは無いとジンは確信していた。だが・・・・・・
「いや、今突入してくるのを退治してこようと思ってな」
その言葉にジンは耳を疑った。
「嘘をつくならマシな嘘つけよ」
まるでトイレにでも行くような調子でのんきに話すジョウスケに苛立ちをぶつけるジン。だが、ジョウスケはそんな事など気にも留めていないのか、さっきまでと同じように笑顔を浮かべている。
「嘘つくつもりはないさ。ただ、ここでお前と意地張っていても時間の無駄だし、俺らも危険だからな。だから、危なくなる前に対処しようって訳。お前はせいぜい飯でも食ってゆっくりしてなって。じゃ、マユにカズエさん、ジンの事はよろしくな」
「あ・・・うん」
マユもカズエも呆気に取られているうちにジョウスケは走り出して行った。やっぱり、ジンにはジョウスケと言う男の底が理解できない・・・・・。
「どうするのジン?」
さすがのカズエもどうすればいいのかわかっていないようだ。まあ、あの男の意図を理解できるようになったら相当な変人だろう。
「どうするって・・・・・あいつの言う通り、飯でも――――」
会話の途中でマユの携帯が鳴り響く。考えるまでも無くジョウスケだろう。その予想は当たったようで、マユはすぐに電話に出たあとジンに電話を渡してきた。
「なんだよ・・・・・・」
「一言忘れててさ。ジンがあんだけ向きになるってことは女がらみだろ。ちゃんと風呂入って臭い落としとけよ〜」
「うるせえ!!」
ジンは図星を突かれ、反射的に怒鳴り声を上げるが既にジョウスケは通信を切っていた。怒りのやり場の無いジンは疲れ果ててその場に座り込んだ。ある意味、今までのリンチ以上に心身が疲労している・・・・・・
「兄さん、ジョウスケさんは何て?」
ジョウスケとのやり取りを傍から見ていたマユとカズエが心配そうにこちらを見ている。突然怒鳴り声を上げたら何かあったと思うのは当然だろう。
ジンは溜め息をついて、頭を掻く。
「とりあえず・・・・・・シャワー浴びてからなんか食うわ。なんでもいいから食える物用意してくれ」
「え?」
カズエとマユは怪訝な顔をしてジンを見ている。一番そういう顔をしたいのはこっちの方なのだが・・・・・・。
無人の廊下にジョウスケの鼻歌とキャリーバッグを引きずる音が響く。
いい事をした後は気持ちが良いものだ。きっと、ジンもマユもカズエさんも自分に感謝しているだろう。
なにせ、自分の身を挺して追手を迎え撃ちに来ているのだから。まあ、まかり間違っても自分が犠牲になるつもりは無い。しっかり、自分のやれる事をやれば勝つ。その自身がジョウスケにはあった。
開閉装置の破壊されているハザード・シャッターの前に立つと、既に向こう側から物音が聞こえてきている。
「もう来てるのか。やっぱり、この会社はせっかちすぎて俺には合わないな」
ジョウスケはキャリーバッグを足元に置き、服の内ポケットから丸サングラスを取り出してかけ、両手にも銃を装備する。
既にハザード・シャッターは向こう側から特殊カッターで切断が始められていた。まずは先制攻撃だ。相手もまさかシャッターの向こうで待ち伏せしているとは思っていないだろう。切り裂かれたところが開いた瞬間が最初の勝負どころだ。
カッターは火花を出しながらもゆっくりと分厚いハザード・シャッターを切り裂いて行く。その軌跡が半円状に形作られ、地面に接した瞬間シャッターはこちら側に向かって轟音と共に倒れ始める。
「さて・・・・・いきますか!!」
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