BASARA 第二話『遊戯開始』 第6章
2007-08-01
どうにか書き終わりました・・・・・。
自分でも一番苦手な物なので・・・・
特にキモさに関しては自分が一番わかっています。
だって、読み返してたら背中痒くなったし。 六
「ついたぜ、降りよう」
「う・・・・うん」
タカヤに促され、レナはタクシーの外に出る。それと共に潮の匂いが乗った風が頬を撫でて行く。
タクシーの中では緊張と不安から、外を見る余裕も無くて気がつかなかったがタカヤに連れられて来た場所は、有名な臨海公園だった。
確か、10年ほど前に埋立地に作られた公園で、夜景と海をともに眺められながらも治安の良さから夜のデートスポットとして未だに人気の高い場所としてメディアに紹介されている。
もっとも、夜に人が来るだけにそういう事が目的の者も多いらしい・・・・・。
「こっちだよ。行こうぜ」
タカヤに手を握られ、レナはそのまま連れられ歩いて行く。やはり、タカヤもそれが狙いなのだろうか?
極度の緊張と不安にかられながらも、必死に冷静さを取り戻そうとするレナ。それとともに頭の中をあらぬ事がよぎって行く。
(流石に、初めてが外ってのは・・・・・でも、こういう星空の下でっていうのも・・・・でも、やっぱり・・・・)
「おい、どうした? 気分悪くなったか?」
不意にかけられたタカヤの言葉に、レナは甘美な妄想の世界から引きずり出された。
「タカヤ君! あの、アタ・・・あたし、はじ・・・初めて・・・だから!!」
「そう? 意外だな」
「意外って・・・・」
突然後頭部を暴魂で殴られたようなショックを受けるレナ。まさか、自分がそういう風に見られていたとは・・・・・。そんなに自分は遊んでいるような顔なのだろうか? 鏡で確認しようにも遊んでいる顔の定義もわからず、レナはただ項垂れる。
「まあ、初めてだったらなおさらいいかもな。ほら、こっち来いよ」
「え・・・あっ!」
レナはタカヤの懐に引き寄せられる。タカヤの体温、匂い、肩に回した手の力強さ、ここまで近くに彼を感じて事は無かった。
そしてこのまま・・・・・
「ほら、あれ見ろよ」
「え? あれ?」
予期せぬタカヤの言葉に惑いつつも、レナは示された方向に視線を向けた。
そこには予想もしていなかった光景が広がっていた。湾岸線の夜景が海に反射し、闇夜を照らしている。空には星が輝き、夜景と相まって自分の視界全てをイルミネーションで包んだかのように瞬いていた。
レナはその光景に息を呑んだ。こんな夜景を日本で見る事などできないと思っていた。空の星もいくら化石燃料の消費が抑えられ、空気も少しずつ澄み始めたからといって、ここまで綺麗に瞬く星を見た事は無い。
香港や函館の夜景はテレビや雑誌で見たことがあるが、自分の目で見た夜景はそれまでのイメージを吹き飛ばすほどに鮮烈な体験だった。
「凄いだろ。基地や都内じゃこんなの見れないからな」
いつの間にか、タカヤは飲み物を持っていた。レナは手渡されたスポーツドリンクを手にタカヤと一緒に夜景の見える場所にあるベンチに腰掛ける。
「どうだ? 初めて見たここの夜景は」
レナはタカヤの言っていた『初めて』と言う言葉の意味を理解できようやく安堵した。それと共に、タカヤがこういう場所を知っていると言う事のギャップに頬が緩む。
「驚いちゃった・・・・・。こんな所を知っていたんだね。あたしの方こそ意外だったよ」
「ガキの頃、よく来ていたからな。結構馴染み深くてさ、親父とお袋もこの夜景が好きだったっけ」
タカヤの口から出た彼の父と母を表す言葉を聞いて、レナはそれに耳を澄ませた。そう言えば彼から両親の事を聞いた事が無い。既に亡くなってヤクザの会長をしているというおじいさんの元で育てられたと聞いた・・・・・・。
そういう辛い環境の中でも明るさを失わないタカヤを見ていると、自然に自分にも笑みが浮かぶ。
「じゃあ、ここはタカヤ君にとって思い出の場所なんだ」
「ああ、だからレナに見せたかったんだ。・・・・・・・まだ俺達が平和を感じていられる間にな」
いつものタカヤとは違う不自然な言い回し、それの意味をレナは痛いほどに理解していた。
もう日本には生きて戻れないかもしれない。口にこそ出さぬものの、二人にはそれがよくわかっていた。
確かに自分は両親に『絶対に生きて帰る』と誓った。だが現実は甘くない。例えどれほどの意志の強さを見せようと実力と運が伴わない兵士など羽虫のように簡単に死んでいく。
まして、今度の戦いは自分達に世界の命運と言うとてつもなく重い責任がかかっているのだ。自分達のような軍人と言うのもおこがましいレベルの人間が耐えられるプレッシャーではない。
さっきまでの和気藹々とした雰囲気もいつの間にか消えて無くなり、タカヤもレナも風と波の音を聞きながら黙って夜景を見ているだけだった。
何か言わないと・・・・・・そう思ってもレナの口からは言葉にならない小さな呟きしか出てこない。このまま黙っていては二人でここに来た意味は無いのに・・・・・
「・・・・・秋頃だっけかな、流星群が見れるんだとさ」
「え?」
「ガキの頃にさ、家族で見たのが本当に凄くてさ、あまり星とかに興味あるようなガキじゃなかったのにあの時見た夜空の凄さだけは覚えているんだよな。
だからさ・・・・・流星群が来た時、もう一回ここに来ようぜ。それだけが言いたかった」
そう言いながら、タカヤの腕が自分の肩に回る。それと共に自分の胸の中で痞えているものが少し小さくなっているのを感じた。こうされただけで安心している自分の単純さに思わず笑いがこぼれる。
確かにこの不安は簡単に消せない。それでも自分達は戦わなければいけないのだ。ならば戦おう、守りたい人達の為に一番信頼している彼と。
自分でも一番苦手な物なので・・・・
特にキモさに関しては自分が一番わかっています。
だって、読み返してたら背中痒くなったし。 六
「ついたぜ、降りよう」
「う・・・・うん」
タカヤに促され、レナはタクシーの外に出る。それと共に潮の匂いが乗った風が頬を撫でて行く。
タクシーの中では緊張と不安から、外を見る余裕も無くて気がつかなかったがタカヤに連れられて来た場所は、有名な臨海公園だった。
確か、10年ほど前に埋立地に作られた公園で、夜景と海をともに眺められながらも治安の良さから夜のデートスポットとして未だに人気の高い場所としてメディアに紹介されている。
もっとも、夜に人が来るだけにそういう事が目的の者も多いらしい・・・・・。
「こっちだよ。行こうぜ」
タカヤに手を握られ、レナはそのまま連れられ歩いて行く。やはり、タカヤもそれが狙いなのだろうか?
極度の緊張と不安にかられながらも、必死に冷静さを取り戻そうとするレナ。それとともに頭の中をあらぬ事がよぎって行く。
(流石に、初めてが外ってのは・・・・・でも、こういう星空の下でっていうのも・・・・でも、やっぱり・・・・)
「おい、どうした? 気分悪くなったか?」
不意にかけられたタカヤの言葉に、レナは甘美な妄想の世界から引きずり出された。
「タカヤ君! あの、アタ・・・あたし、はじ・・・初めて・・・だから!!」
「そう? 意外だな」
「意外って・・・・」
突然後頭部を暴魂で殴られたようなショックを受けるレナ。まさか、自分がそういう風に見られていたとは・・・・・。そんなに自分は遊んでいるような顔なのだろうか? 鏡で確認しようにも遊んでいる顔の定義もわからず、レナはただ項垂れる。
「まあ、初めてだったらなおさらいいかもな。ほら、こっち来いよ」
「え・・・あっ!」
レナはタカヤの懐に引き寄せられる。タカヤの体温、匂い、肩に回した手の力強さ、ここまで近くに彼を感じて事は無かった。
そしてこのまま・・・・・
「ほら、あれ見ろよ」
「え? あれ?」
予期せぬタカヤの言葉に惑いつつも、レナは示された方向に視線を向けた。
そこには予想もしていなかった光景が広がっていた。湾岸線の夜景が海に反射し、闇夜を照らしている。空には星が輝き、夜景と相まって自分の視界全てをイルミネーションで包んだかのように瞬いていた。
レナはその光景に息を呑んだ。こんな夜景を日本で見る事などできないと思っていた。空の星もいくら化石燃料の消費が抑えられ、空気も少しずつ澄み始めたからといって、ここまで綺麗に瞬く星を見た事は無い。
香港や函館の夜景はテレビや雑誌で見たことがあるが、自分の目で見た夜景はそれまでのイメージを吹き飛ばすほどに鮮烈な体験だった。
「凄いだろ。基地や都内じゃこんなの見れないからな」
いつの間にか、タカヤは飲み物を持っていた。レナは手渡されたスポーツドリンクを手にタカヤと一緒に夜景の見える場所にあるベンチに腰掛ける。
「どうだ? 初めて見たここの夜景は」
レナはタカヤの言っていた『初めて』と言う言葉の意味を理解できようやく安堵した。それと共に、タカヤがこういう場所を知っていると言う事のギャップに頬が緩む。
「驚いちゃった・・・・・。こんな所を知っていたんだね。あたしの方こそ意外だったよ」
「ガキの頃、よく来ていたからな。結構馴染み深くてさ、親父とお袋もこの夜景が好きだったっけ」
タカヤの口から出た彼の父と母を表す言葉を聞いて、レナはそれに耳を澄ませた。そう言えば彼から両親の事を聞いた事が無い。既に亡くなってヤクザの会長をしているというおじいさんの元で育てられたと聞いた・・・・・・。
そういう辛い環境の中でも明るさを失わないタカヤを見ていると、自然に自分にも笑みが浮かぶ。
「じゃあ、ここはタカヤ君にとって思い出の場所なんだ」
「ああ、だからレナに見せたかったんだ。・・・・・・・まだ俺達が平和を感じていられる間にな」
いつものタカヤとは違う不自然な言い回し、それの意味をレナは痛いほどに理解していた。
もう日本には生きて戻れないかもしれない。口にこそ出さぬものの、二人にはそれがよくわかっていた。
確かに自分は両親に『絶対に生きて帰る』と誓った。だが現実は甘くない。例えどれほどの意志の強さを見せようと実力と運が伴わない兵士など羽虫のように簡単に死んでいく。
まして、今度の戦いは自分達に世界の命運と言うとてつもなく重い責任がかかっているのだ。自分達のような軍人と言うのもおこがましいレベルの人間が耐えられるプレッシャーではない。
さっきまでの和気藹々とした雰囲気もいつの間にか消えて無くなり、タカヤもレナも風と波の音を聞きながら黙って夜景を見ているだけだった。
何か言わないと・・・・・・そう思ってもレナの口からは言葉にならない小さな呟きしか出てこない。このまま黙っていては二人でここに来た意味は無いのに・・・・・
「・・・・・秋頃だっけかな、流星群が見れるんだとさ」
「え?」
「ガキの頃にさ、家族で見たのが本当に凄くてさ、あまり星とかに興味あるようなガキじゃなかったのにあの時見た夜空の凄さだけは覚えているんだよな。
だからさ・・・・・流星群が来た時、もう一回ここに来ようぜ。それだけが言いたかった」
そう言いながら、タカヤの腕が自分の肩に回る。それと共に自分の胸の中で痞えているものが少し小さくなっているのを感じた。こうされただけで安心している自分の単純さに思わず笑いがこぼれる。
確かにこの不安は簡単に消せない。それでも自分達は戦わなければいけないのだ。ならば戦おう、守りたい人達の為に一番信頼している彼と。
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