スパロボBASARA 第二話 第一章
2007-02-19
BASARAの新作です。
新章に入りました。
このまま、腕が上がれば良いのですが・・・・・。 弐
『遊戯 開始』
一
いつまで、こんな無駄な時間をすごさなければならないのか・・・・・・。ベッドに座っているタカヤの脳裏にそんな事がふとよぎる。辺りには人はおらず、溜息が耳につく。
ジュネーブでの一件から、既に2週間が過ぎていた。あの連邦史上最悪の失態に対し、上層部が下した命令は『現状維持』だった。
下士官以下に対しては緊急配備などの命令は下されず、通常の訓練を課すと共に、事件に関する発言を一切禁じられていたのだ。
もちろん、タカヤはそれを拒んだ。詳しい事は何もわからないが、ユキトが何かとてつもない事をしようとしているという事は対峙したタカヤが一番肌で感じていたからである。
その結果がこの営倉(懲罰房)入りだった。レコメンドを行うとほぼ同時に処分が下され、それ以後一週間以上も営倉の中で過ごさなければならなくなった。
考えてみれば当然の事なのかも知れない。ユキトの親もミサキの親も連邦の上層部におり、あの二人自体も相当なエリートだった。体裁を気にする上層部がそれを隠さないはずが無い。それを忘れて自分は騒ぎ立てたから目をつけられたのだ・・・・・・。
「くだらねえ・・・・・」
吐き出すように愚痴ると共にタカヤはベッドの上に横になる。今の状況もそうなのだが、今後の事を考えると営倉の澱んだ空気と臭気も相まって無性に頭が痛くなってくる。
どうせ、このまま事件の隠蔽を図ろうとしているうちに相手の組織に先手を打たれるに決まっている。それがわかっていても個人で動く事などできやしない。
歯がゆい・・・・・。やらなければならない事ははっきりとわかっているのに、軍の面子が、それによるしがらみが見えない重荷となって自分を抑えつけている。それは何よりも重く、疎ましい。
タカヤは一頻り思考を巡らせるが、結局自分の力の無さを痛感する事にしかならないと言う結論に達し、これ以上は考えるだけ無駄と決め付けて寝る事にした。
本来、営倉入りは処罰である為こんな事は許されないのだが、経緯が経緯だけあってかある程度の自由は容認されているのだ。
だが、この日はいつもと違っていた。
「起きろ鬼来曹長。横になるな!!」
見張りの怒声を聞いて、タカヤは体を起こす。昨日までならどれだけ寝ようが、どれだけ運動をしていようが何も言わないどころか、ほとんど持ち場につかずにいたのに、何故か今になって五月蝿く注意をしてくる。
「正座をしろ。姿勢を崩すな」
その変り身をいぶかしみながらタカヤは正座をする。ここでタカヤは少しずつ近くなる足音に気づいた。
(お偉方の見物か? 仕事もしないでいい気なもんだ・・・・・・)
足音が大きくなるにつれ、顔に期限の悪さが滲み出てくるのをタカヤは感じて目を伏せた。こんな時期にわざわざ自分一人しかいない営倉を見に来るなんてよっぽどの能無しか、よっぽどの暇人か、両方混ざった救いようの無い馬鹿かだ。
目の前で足音が止まった。どんな奴が来たのだろうか? その間抜け面でも拝んでやろうとタカヤは顔を上げる。
「タカヤ・キゴロ曹長だな? 貴官に命令を下す。すぐに営倉を出て、第1ブリーフィングルームへ来い。三十分以内だ」
タカヤは、今の自分がどれほど間抜け面を晒しているのかすら気づかず、口を開けたまま、自分に対し威圧的に命令を下している男を見上げる。
何故、連邦本部に在籍しているユキトの父親が・・・・・いや、連邦陸軍司令官『ユキマサ・フジミヤ(藤宮 行正)』がこんな営倉に来ているのか?
だが、ユキマサは驚くタカヤを無視して仕事は済んだとばかりに顔を背け、来た道を帰っていく。
その時――
「来る時は、必ず風呂にでも入ってから来る事だ。その不潔な臭いは不愉快だ」
そう言って、ユキマサは一瞥をくれる事無く去っていった。あっけに取られながらも、タカヤは溜息をつき、心の中で一人愚痴た。
(なんて奴だよ・・・・・。 流石にユキトが父親を嫌っていた訳がわかるな)
ほぼ十日ぶりの入浴だったが、のんびりと使っている暇など与えられなかった。こびりついた臭いを落とす為、念入りに体と髪を洗って伸びきった無精ひげを剃っていたら瞬く間に時間が過ぎていき、気づいたら指定された時間を五分も過ぎており、必死にブリーフィングルームに走り出す。流したばかりの汗も、冷や汗となって再び噴き出てくる。
「お・・・遅れました!!」
我ながら間抜けな事を言いながらブリーフィングルームに入ると、ユキマサの冷たい視線が矢のように突き刺さってくる。会ったばかりで決め付けるのもなんだが、どう考えてもこの男とは地球が滅びるまで生きていても友好的な関係を築けそうに無い。
視線の痛みに耐えながらタカヤはブリーフィングルームに入り、ユキマサに促されるまま椅子に座る。ユキマサの近くには頭を抱えるカイ少佐と気まずそうにうつむいているレナが椅子に座っているだけだ。他には誰もいない。
「全員揃ったようなので始めるとしよう」
ユキマサの冷たい言葉と共に、ブリーフィングルームに設置されているモニターが動き出した。
タカヤもレナも、まだ黒いままのモニターを不思議そうに見据える。数十秒後、画面は切り替わるとそこにはサーカスのリングのようなものがあり、そこで一人の道化師が滑稽さを強調しながら踊っていた。
「え・・・・・なに?」
突然の意味不明な映像にレナは不思議そうに呟く。タカヤは、その映像の妙な雰囲気が受け入れられず、画面から目を逸らす。
一体、何のつもりでこんな物を・・・・・そう思ってタカヤはユキマサとカイに目を向けるが不思議な事に二人ともさっきよりも表情が重くなっている。
二人の表情とモニターの不自然なギャップにタカヤの心は少しずつ不安が増して来る・・・・・。
「おやおや、よそ見はいけませんよ〜? タカヤ曹長さん♪」
「!?」
モニターから突然声をかけられて、タカヤは驚きモニターに目を戻す。そこにはいつの間にか近づいていた道化師が満面の笑みをモニターに映している。
「やや? お二人とも驚いているようですね・・・・・。そこにいるユキマサさんから説明はされませんでしたかな? 私は伝言を伝えて置いたはずなんですがねえ・・・・・・どうやら、私達の誠意が伝わらなかったようでとても悲しいです・・・・・」
道化師は笑っていたと思えば、今度は大粒の涙を流して泣きじゃくる。しかし、それもすぐ終わり、再び道化師はモニターに笑みを浮かべる。
「ならば、仕方ないですね♪ これから私があなた達に説明してあげましょ〜」
道化師は、腰にあるポケットから大きめのクラッカーを数発取り出し、それを鳴らしながら叫ぶ。
「おめでとうございます!! タカヤさんとレナさんは、このゲームのヒーロー&ヒロインに選ばれました♪ これからあなた達の肩には、地球圏の人類全ての命を背負ってもらいま〜す♪」
新章に入りました。
このまま、腕が上がれば良いのですが・・・・・。 弐
『遊戯 開始』
一
いつまで、こんな無駄な時間をすごさなければならないのか・・・・・・。ベッドに座っているタカヤの脳裏にそんな事がふとよぎる。辺りには人はおらず、溜息が耳につく。
ジュネーブでの一件から、既に2週間が過ぎていた。あの連邦史上最悪の失態に対し、上層部が下した命令は『現状維持』だった。
下士官以下に対しては緊急配備などの命令は下されず、通常の訓練を課すと共に、事件に関する発言を一切禁じられていたのだ。
もちろん、タカヤはそれを拒んだ。詳しい事は何もわからないが、ユキトが何かとてつもない事をしようとしているという事は対峙したタカヤが一番肌で感じていたからである。
その結果がこの営倉(懲罰房)入りだった。レコメンドを行うとほぼ同時に処分が下され、それ以後一週間以上も営倉の中で過ごさなければならなくなった。
考えてみれば当然の事なのかも知れない。ユキトの親もミサキの親も連邦の上層部におり、あの二人自体も相当なエリートだった。体裁を気にする上層部がそれを隠さないはずが無い。それを忘れて自分は騒ぎ立てたから目をつけられたのだ・・・・・・。
「くだらねえ・・・・・」
吐き出すように愚痴ると共にタカヤはベッドの上に横になる。今の状況もそうなのだが、今後の事を考えると営倉の澱んだ空気と臭気も相まって無性に頭が痛くなってくる。
どうせ、このまま事件の隠蔽を図ろうとしているうちに相手の組織に先手を打たれるに決まっている。それがわかっていても個人で動く事などできやしない。
歯がゆい・・・・・。やらなければならない事ははっきりとわかっているのに、軍の面子が、それによるしがらみが見えない重荷となって自分を抑えつけている。それは何よりも重く、疎ましい。
タカヤは一頻り思考を巡らせるが、結局自分の力の無さを痛感する事にしかならないと言う結論に達し、これ以上は考えるだけ無駄と決め付けて寝る事にした。
本来、営倉入りは処罰である為こんな事は許されないのだが、経緯が経緯だけあってかある程度の自由は容認されているのだ。
だが、この日はいつもと違っていた。
「起きろ鬼来曹長。横になるな!!」
見張りの怒声を聞いて、タカヤは体を起こす。昨日までならどれだけ寝ようが、どれだけ運動をしていようが何も言わないどころか、ほとんど持ち場につかずにいたのに、何故か今になって五月蝿く注意をしてくる。
「正座をしろ。姿勢を崩すな」
その変り身をいぶかしみながらタカヤは正座をする。ここでタカヤは少しずつ近くなる足音に気づいた。
(お偉方の見物か? 仕事もしないでいい気なもんだ・・・・・・)
足音が大きくなるにつれ、顔に期限の悪さが滲み出てくるのをタカヤは感じて目を伏せた。こんな時期にわざわざ自分一人しかいない営倉を見に来るなんてよっぽどの能無しか、よっぽどの暇人か、両方混ざった救いようの無い馬鹿かだ。
目の前で足音が止まった。どんな奴が来たのだろうか? その間抜け面でも拝んでやろうとタカヤは顔を上げる。
「タカヤ・キゴロ曹長だな? 貴官に命令を下す。すぐに営倉を出て、第1ブリーフィングルームへ来い。三十分以内だ」
タカヤは、今の自分がどれほど間抜け面を晒しているのかすら気づかず、口を開けたまま、自分に対し威圧的に命令を下している男を見上げる。
何故、連邦本部に在籍しているユキトの父親が・・・・・いや、連邦陸軍司令官『ユキマサ・フジミヤ(藤宮 行正)』がこんな営倉に来ているのか?
だが、ユキマサは驚くタカヤを無視して仕事は済んだとばかりに顔を背け、来た道を帰っていく。
その時――
「来る時は、必ず風呂にでも入ってから来る事だ。その不潔な臭いは不愉快だ」
そう言って、ユキマサは一瞥をくれる事無く去っていった。あっけに取られながらも、タカヤは溜息をつき、心の中で一人愚痴た。
(なんて奴だよ・・・・・。 流石にユキトが父親を嫌っていた訳がわかるな)
ほぼ十日ぶりの入浴だったが、のんびりと使っている暇など与えられなかった。こびりついた臭いを落とす為、念入りに体と髪を洗って伸びきった無精ひげを剃っていたら瞬く間に時間が過ぎていき、気づいたら指定された時間を五分も過ぎており、必死にブリーフィングルームに走り出す。流したばかりの汗も、冷や汗となって再び噴き出てくる。
「お・・・遅れました!!」
我ながら間抜けな事を言いながらブリーフィングルームに入ると、ユキマサの冷たい視線が矢のように突き刺さってくる。会ったばかりで決め付けるのもなんだが、どう考えてもこの男とは地球が滅びるまで生きていても友好的な関係を築けそうに無い。
視線の痛みに耐えながらタカヤはブリーフィングルームに入り、ユキマサに促されるまま椅子に座る。ユキマサの近くには頭を抱えるカイ少佐と気まずそうにうつむいているレナが椅子に座っているだけだ。他には誰もいない。
「全員揃ったようなので始めるとしよう」
ユキマサの冷たい言葉と共に、ブリーフィングルームに設置されているモニターが動き出した。
タカヤもレナも、まだ黒いままのモニターを不思議そうに見据える。数十秒後、画面は切り替わるとそこにはサーカスのリングのようなものがあり、そこで一人の道化師が滑稽さを強調しながら踊っていた。
「え・・・・・なに?」
突然の意味不明な映像にレナは不思議そうに呟く。タカヤは、その映像の妙な雰囲気が受け入れられず、画面から目を逸らす。
一体、何のつもりでこんな物を・・・・・そう思ってタカヤはユキマサとカイに目を向けるが不思議な事に二人ともさっきよりも表情が重くなっている。
二人の表情とモニターの不自然なギャップにタカヤの心は少しずつ不安が増して来る・・・・・。
「おやおや、よそ見はいけませんよ〜? タカヤ曹長さん♪」
「!?」
モニターから突然声をかけられて、タカヤは驚きモニターに目を戻す。そこにはいつの間にか近づいていた道化師が満面の笑みをモニターに映している。
「やや? お二人とも驚いているようですね・・・・・。そこにいるユキマサさんから説明はされませんでしたかな? 私は伝言を伝えて置いたはずなんですがねえ・・・・・・どうやら、私達の誠意が伝わらなかったようでとても悲しいです・・・・・」
道化師は笑っていたと思えば、今度は大粒の涙を流して泣きじゃくる。しかし、それもすぐ終わり、再び道化師はモニターに笑みを浮かべる。
「ならば、仕方ないですね♪ これから私があなた達に説明してあげましょ〜」
道化師は、腰にあるポケットから大きめのクラッカーを数発取り出し、それを鳴らしながら叫ぶ。
「おめでとうございます!! タカヤさんとレナさんは、このゲームのヒーロー&ヒロインに選ばれました♪ これからあなた達の肩には、地球圏の人類全ての命を背負ってもらいま〜す♪」
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