スパロボBASARA 第一話 第九章
2007-01-15
BASARAの新作です。
ようやく一章が終わりました。
かなりの遅筆ですが、頑張って続けて行こうと思います。 九
タカヤは、暴魂を緋炎王の肩に担ぎ、モニターに映る参式に向かい歩を進める。まだ参式は完全に立ち上がっていない。
ここが好機と認識したタカヤは、立ち上がりかけた参式の頭部に暴魂を叩きつける。その一撃で参式は再び地面に倒れ伏せる。暴魂の叩きつけられた側頭部は大きく歪んで、人を模していた頭部は見る陰も無くなっていた。
もう一撃加えるべく、タカヤは大きく暴魂を振りかぶる。その時、参式は背中のバーニアを噴射させ。コンマ何秒かの遅れをついて暴魂から逃げ出した。
「上手くかわしたな・・・・・・だが、逃がすか!!」
暴魂を腰溜めに構え、アクセルローラーを動かし参式に突貫する。参式はアイソリッドレーザーを連射して迎撃しようとしているが、タカヤは緋炎王の重装甲を盾に意にも介さない。
完全に懐に入り込んだタカヤは、手にした暴魂を一気に振りぬく。参式は防御しようとしたのか左腕を上げるが完全に焼け石に水で、左腕ごと叩き潰された。地面に倒れる参式の様子はさっきまでの鉄壁の城を思わせる参式とはまるで正反対だった。
「すげえ・・・・・すげえぞ、こいつは!!」
タカヤは手にした暴魂の威力に高揚する。並のPT一機以上の質量を持つこの金棒は、圧倒的体格差を誇る参式と緋炎皇の差を埋めて、あまりある力を見せていた。
ユキトが何を考え、どうしてコレを自分に預けたかはタカヤにはわからない。だが今はこの参式を破壊するのが最優先だ。
「いくぜ! トドメを刺してやる!!」
タカヤがコンソールパネルを操作すると、暴魂の打突部分が高速で回転をし始める。緋炎王は轟音を発して振動する暴魂を振り上げる。同時に倒れている参式もオメガブラスターを放とうとしている。
だが、参式の反撃は遅すぎた。参式の胴体目掛けて振り下ろされた暴魂は接触と同時に火花を散らしながら参式の装甲を抉り、飛び散る破片が豪雨のように緋炎王へぶつかる。
もはや半壊してる参式に向けて、タカヤはもう一度暴魂を振りかぶり参式に振り下ろした。叩きつけた暴魂により、参式は機関部を粉々にされ燃料パイプから燃料を撒き散らしながら完全に両断された。
刃物で切った断面とは明らかに違う強力な圧力に押し潰された傷だらけの断面が暴魂の威力と凄惨さを物語っていた。
暴魂の回転を止め、ようやく安堵の息をタカヤは漏らす。そして、改めて自分が成した事に驚いた。
「あのグルンガスト参式をPT単体で撃破か・・・・・・。こりゃあ、とんでもない武勇伝だな」
「確かに初陣としては最高の結果だったね」
「!?」
タカヤの通信機に再びユキトが割り込んできた。やはり、今までの自分の戦闘を見ていたのだろうか・・・・・・。
「どこだ! どこにいる!!」
「近くに来ているよ。レーダーを見るんだ」
ユキトの言葉にタカヤがレーダーへ目を向けると、二つの光点が自分の真後ろに並んでいる。どうやら、まだあの2機が連邦の機体として登録されている為、信号が出ておらず見落としていたようだ。
反射的に機体を向けると、そこには蒼雷皇と黒嵐姫が並んで、タカヤを見据えていた。
「ユキトォォォォォォォォォッッ!!」
咆哮と共にタカヤは緋炎王を蒼雷皇へと走らせた。自分達を裏切り、アラドとゼオラを傷つけたユキトへの怒りが他の感情を飲み込んでいた。
黒嵐姫が緋炎王を止めようとしたのか一歩前に出てくるが、蒼雷皇がそれを抑え自ら緋炎王に向かってきた。
タカヤは加速の勢いのまま、暴魂を振り上げ蒼雷皇目掛けて叩きつける。蒼雷皇は背負っている2つの棍棒を両手に持ち、暴魂を受け止めるようにぶつけてきた。
互いの武器が衝突し、轟音と共に火花が飛び散る。機体同士も激しく衝突し、鍔迫り合いの様な形になる。そのまま硬直する2機・・・・・・
「やめるんだタカヤ、今の君では僕には勝てない。これ以上、君達に危害を加える気は無いから引いてくれ」
「うるせえ! 上から口を利くな!! 今のお前は上司じゃねえだろうが!! それに俺は―――――」
「あの参式に勝った程度でのぼせあがるのはよした方が良い。現に僕は暴魂のような大型武器の対策を身につけている。暴魂頼みの君に勝つ術は無い」
「ふ・・・ふざけるな―っ!!」
タカヤはユキトの言動に激怒し、間合いを一瞬離し暴魂を水平に薙ぎ払う。
「悪いがタカヤ・・・その程度だからこそ言っているんだ」
蒼雷皇は下がるどころか、アクセルローラーを使って瞬く間に緋炎王の懐に入り込み、そのまま肩口から激突した。
その衝撃に緋炎王はバランスを崩して横転する。タカヤはすぐに立ち上がろうとするが、無理だった。倒れている緋炎王の上に蒼雷皇が立っており、手にした武器をコクピット附近に突きつけていた。
「大型の武器を相手にするには遠心力を働かせないように懐に飛び込むのは基本だ。覚えておくと良い」
殺される・・・・・・本能的な恐怖に瞬間的にタカヤの体は硬直してしまった。だが、ユキトは緋炎王を破壊する事無く武器を収め、背を向けて黒嵐姫の元へ歩き出す。
「なんのつもりだ! まだ勝負は――――」
「ここまでやって理解できないのなら、なおさら君を殺す意味は無い」
「な・・・・・・」
「僕を止めたければ強くなる事だ。弱い君には用が無い・・・・・・」
「待てユキト!! 待てッ!!」
炎の中に消えていく蒼雷皇と黒嵐姫に必死に叫び続けながらも、倒れ伏した緋炎王の機体は少しも動かなかった。
認めたくないが自分の身体がユキトには敵わないと言う事実を一番理解している事をタカヤは悟った。圧倒的な敗北感と無力感が、立ち上がる気力を奪い去っていたのだ。
「畜生・・・・ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」
屈辱と自分への憤りに、タカヤはコクピットの中で慟哭した。数年振りに流れた涙が、止め処なく頬を濡らし続けた。
『戦渦胎動』
終
次回予告
ジュネーブ襲撃より二週間後。敵の情報を得る事も出来ず停滞していた事象が動き出した。
敵はユキトがタカヤへと告げた名前『鉄神党』を名乗り、連邦政府へ『ゲーム』を持ちかける。
拒めば、世界は滅びると言うゲームを連邦政府は苦渋の覚悟で受諾する。だが、プレイヤーとして選ばれたのは歴戦のパイロットではなく、新人でしかないタカヤとレナだった。
次回
『遊戯開始』
ようやく一章が終わりました。
かなりの遅筆ですが、頑張って続けて行こうと思います。 九
タカヤは、暴魂を緋炎王の肩に担ぎ、モニターに映る参式に向かい歩を進める。まだ参式は完全に立ち上がっていない。
ここが好機と認識したタカヤは、立ち上がりかけた参式の頭部に暴魂を叩きつける。その一撃で参式は再び地面に倒れ伏せる。暴魂の叩きつけられた側頭部は大きく歪んで、人を模していた頭部は見る陰も無くなっていた。
もう一撃加えるべく、タカヤは大きく暴魂を振りかぶる。その時、参式は背中のバーニアを噴射させ。コンマ何秒かの遅れをついて暴魂から逃げ出した。
「上手くかわしたな・・・・・・だが、逃がすか!!」
暴魂を腰溜めに構え、アクセルローラーを動かし参式に突貫する。参式はアイソリッドレーザーを連射して迎撃しようとしているが、タカヤは緋炎王の重装甲を盾に意にも介さない。
完全に懐に入り込んだタカヤは、手にした暴魂を一気に振りぬく。参式は防御しようとしたのか左腕を上げるが完全に焼け石に水で、左腕ごと叩き潰された。地面に倒れる参式の様子はさっきまでの鉄壁の城を思わせる参式とはまるで正反対だった。
「すげえ・・・・・すげえぞ、こいつは!!」
タカヤは手にした暴魂の威力に高揚する。並のPT一機以上の質量を持つこの金棒は、圧倒的体格差を誇る参式と緋炎皇の差を埋めて、あまりある力を見せていた。
ユキトが何を考え、どうしてコレを自分に預けたかはタカヤにはわからない。だが今はこの参式を破壊するのが最優先だ。
「いくぜ! トドメを刺してやる!!」
タカヤがコンソールパネルを操作すると、暴魂の打突部分が高速で回転をし始める。緋炎王は轟音を発して振動する暴魂を振り上げる。同時に倒れている参式もオメガブラスターを放とうとしている。
だが、参式の反撃は遅すぎた。参式の胴体目掛けて振り下ろされた暴魂は接触と同時に火花を散らしながら参式の装甲を抉り、飛び散る破片が豪雨のように緋炎王へぶつかる。
もはや半壊してる参式に向けて、タカヤはもう一度暴魂を振りかぶり参式に振り下ろした。叩きつけた暴魂により、参式は機関部を粉々にされ燃料パイプから燃料を撒き散らしながら完全に両断された。
刃物で切った断面とは明らかに違う強力な圧力に押し潰された傷だらけの断面が暴魂の威力と凄惨さを物語っていた。
暴魂の回転を止め、ようやく安堵の息をタカヤは漏らす。そして、改めて自分が成した事に驚いた。
「あのグルンガスト参式をPT単体で撃破か・・・・・・。こりゃあ、とんでもない武勇伝だな」
「確かに初陣としては最高の結果だったね」
「!?」
タカヤの通信機に再びユキトが割り込んできた。やはり、今までの自分の戦闘を見ていたのだろうか・・・・・・。
「どこだ! どこにいる!!」
「近くに来ているよ。レーダーを見るんだ」
ユキトの言葉にタカヤがレーダーへ目を向けると、二つの光点が自分の真後ろに並んでいる。どうやら、まだあの2機が連邦の機体として登録されている為、信号が出ておらず見落としていたようだ。
反射的に機体を向けると、そこには蒼雷皇と黒嵐姫が並んで、タカヤを見据えていた。
「ユキトォォォォォォォォォッッ!!」
咆哮と共にタカヤは緋炎王を蒼雷皇へと走らせた。自分達を裏切り、アラドとゼオラを傷つけたユキトへの怒りが他の感情を飲み込んでいた。
黒嵐姫が緋炎王を止めようとしたのか一歩前に出てくるが、蒼雷皇がそれを抑え自ら緋炎王に向かってきた。
タカヤは加速の勢いのまま、暴魂を振り上げ蒼雷皇目掛けて叩きつける。蒼雷皇は背負っている2つの棍棒を両手に持ち、暴魂を受け止めるようにぶつけてきた。
互いの武器が衝突し、轟音と共に火花が飛び散る。機体同士も激しく衝突し、鍔迫り合いの様な形になる。そのまま硬直する2機・・・・・・
「やめるんだタカヤ、今の君では僕には勝てない。これ以上、君達に危害を加える気は無いから引いてくれ」
「うるせえ! 上から口を利くな!! 今のお前は上司じゃねえだろうが!! それに俺は―――――」
「あの参式に勝った程度でのぼせあがるのはよした方が良い。現に僕は暴魂のような大型武器の対策を身につけている。暴魂頼みの君に勝つ術は無い」
「ふ・・・ふざけるな―っ!!」
タカヤはユキトの言動に激怒し、間合いを一瞬離し暴魂を水平に薙ぎ払う。
「悪いがタカヤ・・・その程度だからこそ言っているんだ」
蒼雷皇は下がるどころか、アクセルローラーを使って瞬く間に緋炎王の懐に入り込み、そのまま肩口から激突した。
その衝撃に緋炎王はバランスを崩して横転する。タカヤはすぐに立ち上がろうとするが、無理だった。倒れている緋炎王の上に蒼雷皇が立っており、手にした武器をコクピット附近に突きつけていた。
「大型の武器を相手にするには遠心力を働かせないように懐に飛び込むのは基本だ。覚えておくと良い」
殺される・・・・・・本能的な恐怖に瞬間的にタカヤの体は硬直してしまった。だが、ユキトは緋炎王を破壊する事無く武器を収め、背を向けて黒嵐姫の元へ歩き出す。
「なんのつもりだ! まだ勝負は――――」
「ここまでやって理解できないのなら、なおさら君を殺す意味は無い」
「な・・・・・・」
「僕を止めたければ強くなる事だ。弱い君には用が無い・・・・・・」
「待てユキト!! 待てッ!!」
炎の中に消えていく蒼雷皇と黒嵐姫に必死に叫び続けながらも、倒れ伏した緋炎王の機体は少しも動かなかった。
認めたくないが自分の身体がユキトには敵わないと言う事実を一番理解している事をタカヤは悟った。圧倒的な敗北感と無力感が、立ち上がる気力を奪い去っていたのだ。
「畜生・・・・ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」
屈辱と自分への憤りに、タカヤはコクピットの中で慟哭した。数年振りに流れた涙が、止め処なく頬を濡らし続けた。
『戦渦胎動』
終
次回予告
ジュネーブ襲撃より二週間後。敵の情報を得る事も出来ず停滞していた事象が動き出した。
敵はユキトがタカヤへと告げた名前『鉄神党』を名乗り、連邦政府へ『ゲーム』を持ちかける。
拒めば、世界は滅びると言うゲームを連邦政府は苦渋の覚悟で受諾する。だが、プレイヤーとして選ばれたのは歴戦のパイロットではなく、新人でしかないタカヤとレナだった。
次回
『遊戯開始』
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